中国人民志願軍全員朝鮮から帰国

2023-05-22 15:59:00

八年まえ、アメリカ帝国主義は、朝鮮にたいする侵略戦爭をおこした。あの風雲きわめて急をつげたとき、中国人民のすぐれた息子と娘たち―中国人民志願軍は、抗米援朝と祖国防衛のため朝鮮へむかつた。かれらは朝鮮人民とともに、ソ連をはじめとする社会主義諸国と世界の平和勢力の支持をうけて、英雄的にたたかつた。そして、みごとにアメリカ侵略者を三八度線以南へ擊退し、朝鮮戰爭の休戰を実現させ、祖国と朝鮮民主主義人民共和国を守り、極東と全世界の平和を守りぬいた。中朝両国人民のこの偉大な勝利は、アメリカの世界侵略計画に痛烈な打擊をあたえ、アメリカが張子の虎であることをバクロするとともに、アジア·アフリカとラテン。アメリカ諸国人民の民族解放をかちとり、民族独立をまもり、侵略と植民主義に反対する鬪いに大きなはげましをあたえた。中国人民志願軍は、鮮血をもつて中朝人民の友誼の花をはぐくみそだてた。その私心のないプロレタリア国際主義の精神は、中国人民のすぐれた品性を遺憾なくしめしたものである。祖国の人民はかれらを「最も愛すべき人」と親しみをこめてよんだが、このよび名はまことにかれらにとつてふさわしい。いま、かれらはぜんぶ朝鮮から撤退し、祖国の土をふんだ。鴨綠江の水はとうとうと流れてゆく。その河音は、中朝人民が血をもつてかためた戰いの友誼を永遠にたたえつづけることであろう。

中国人民志願軍は、ことしの二月、中朝両国政府の提案にこたえて、いつさいの外国軍の朝鮮撤退をうながし、朝鮮問題の平和的解決を有利にするため、ことしの末までに数回にわけてぜんぶ朝鮮から撤退することをきめた。このことは、中国人民がひたすら平和を重んじ、口にしたことはかならず実行にうつすということをはつきり物語るものである。いまのところ、アメリカ軍を主体とする国連軍は朝鮮からの撤退をなお執拗にこばんでいるとはいえ、中国人民は、中国人民志願軍が期限どおりぜんぶ朝鮮から撤退したことによつて朝鮮問題の平和的解決に有利な條件がつくりだされるものと信じている。


北京駅頭に出迎えた周恩來総理(右)と固い握手をかわす中国人民志願軍司令官楊勇大將(左)
北京駅頭に出迎えた周恩來総理(右)と固い握手をかわす中国人民志願軍司令官楊勇大將(左)

いまでは、あとのものが先に帰つてしまつた。アメリカ帝国主義の行動と中国人民の行動とは、いちじるしく対照的である。中国人民志願軍が期限どおり、しかも主動的にぜんぶ朝鮮から撤退したことは、中国人民の平和にたいする誠意と平和を守る事業へのゆるぎない確信をあますところなく表明するものである。ところが、ことしの二月に中国人民志願軍が撤退を宣言し、そのごつぎつぎに撤兵を実行しているにもかかわらず、アメリカはあくまで朝鮮からの撤退をこばみつづけるばかりか、世界のいたるところに火をつけ、ほしいままに侵略し、緊張した情勢をうみだしている。たとえば、インドネシアの內政に干渉し、レバノンへ出兵し、台湾海峽地域へ大軍を集結して中国人民にきちがいじみた軍事的挑発と戰爭による威嚇をくわえてきている。こうした一連の侵略行為をみれば、アメリカが朝鮮から撤退するのをこばむ理由が、臭名天下になりひびく「戰爭瀨戸ぎわ」政策をあくまで強行するためだということを誰もみてとることができるだろう。もしそうでないというのなら、なぜアメリカは撤退をこばむのか?なぜアメリカは朝鮮休戰協定に違反して原子兵器を南朝鮮へ持ちこんでいるのか? 国連軍にくわわつている他の国ぐにの政府はアメリカのいいなりになつてその軍隊をひきつづき南朝鮮にとどめ、事実上アメリカの「戰爭瀨戸ぎわ」政策を実行する手先となつている。そのかぎり、かれらは好むと好まざるとにかかわらず、ダレスらがいつたんこの「瀨戸ぎわ」から足をすべらしたときに生じるいつさいの被害をこうむらざるをえないであろう。いま国連軍はひきつづき南朝鮮にふみとどまつているが、これについてはなんら弁解の余地がない。こうした国連軍の朝鮮残留は、朝鮮の休戰狀態の安定と極東ならびに全世界の平和をいちじるしくおびやかすだけのことである。

ゆらい、侵略者はひとたびその軍隊を他国の領土に入れると、なんとしても撤退せず、ねばりにねばるのがつねである。アメリカは朝鮮侵略戰爭をおこしたとき、武力をもちいて中国の領土台湾と澎湖諸島を侵略占領したが、こんどは、橫暴にも台湾、澎湖諸島からの撤兵をこばむばかりか、なおも台湾と台湾海峽の兵力を增強している。アメリカ国防長官マケルロイは、さいきん、恥知らずにもひきつづきこの地域に兵力を增強するとおおつぴらにわめきたてているのである。

だが、こんにちはすでに東風が西風を圧倒する時代である。帝国主義が意のままにふるまつていた時代はもはや過ぎ去つてしまつた。中華人民共和国国防部長彭德懷(ほうとくかい)(ポン·トーホワイ)元帥は十月六日、台湾の同胞に告ぐる書を発表して、「アメリカ人は結局ひきあげるのであつて、ひきあげないわけにはゆかない。早くひきあげればアメリカにとつて有利である。というのは、かれらも主動的になるからである。おくればせにひきあげるのは不利である。というのは、いつも受動的になるからである」とアメリカ政府に警告した。アメリカのダレスのような輩は、まつたく血のめぐりがわるいというよりほかはない。よく目を見ひらいて現実を直視するがいいのだ。もしいつまでも世界の大勢をわきまえず、あくまでひきあげないならば、いつそう悲惨な運命に見まわれることであろう。帝国主義の前途について、毛沢東(もうたくとう)(マオ·ツオートン)主席は、じつにしんらつなたとえをひいている。アメリカは全世界の多くの国々に武裝部隊を派遣して侵略をおこない、戰爭の準備をすすめているが、これはかれらじしんが綱をつくり、それを自分のくびにかけ、その端をそれらの国ぐにの人民に握らせたようなものだ。アメリカ侵略者がこれらの国ぐにに踏みとどまることが長ければ長いだけ、そのくびにかけられた綱はいよいよひきしめられてゆくのである。


天安門まえを埋める北京市民の歓迎にこたえてすすむ中国人民志願軍代表團
天安門まえを埋める北京市民の歓迎にこたえてすすむ中国人民志願軍代表團

いまアメリカ侵略者はなおもきばをむき出し、腕をふりまわしており、そうすることが上策だと思つている。だが、朝鮮戰爭についてみても、ペンタゴンの將軍連の「功績」なるものは、年わかい朝鮮民主主義人民共和国と中華人民共和国を地図から抹殺することができず、逆にみずから頭をぶつつけて血を流し、全世界の人民のまえに醜体をさらしただけのことである。人民の力はうち破ることのできないものだ。朝鮮人民がその祖国を統一し、中国人民が社会主義と共產主義の社会を建設し、みずからの領土台湾、澎湖、金門、馬祖を解放しようという決意は、アメリカのひとにぎりの反動派の力では絕対にはばみうるものではない。アメリカ侵略者は台湾と台湾海峽から出て行かねばならない。また、南朝鮮から出て行かねばならない。アメリカ侵略者がいかに頑固にあばれくるい、きちがいじみた冒險をくわだてようとも、それはかれら自身のくびにかけている綱をいよいよひきしめるだけのことである。中国人民は一再ならずアメリカ侵略者に警告してきた。もしかれらがあえて休戰協定をやぶり、ふたたび侵略戰爭をしかけてくるならば、そして朝鮮人民が必要としさえすれば、中国人民はただちにためらうことなく自分たちのすぐれた息子と娘たちをおくり、ふたたび鴨綠江をこえて、朝鮮人民とともに侵略者へ潰滅的な打擊をあたえるであろう。

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