方正切り紙

2022-03-08 16:07:48

 

創作に集中している方正切り紙の代表的伝承者・倪秀梅さん 

ハルビンの人々の中にある氷雪文化への愛は、この土地の先住民族から受け継いだものかもしれない。漁業や狩猟にたけた女真族は、生産・生活の跡をハルビンに多く残した。その影響を受けて、冬の釣りの風習は現代のハルビンでも盛んに行われている。 

東北地方に住んでいた古代の人々は、冬の終わりから春の初めに川の氷が溶け始めるとき、川の精霊に供え物をして豊漁を願っていたという。この古い漁猟文化から、現代ハルビンの「松花江開江節」が生まれた。開江節では、神秘的な仮面を着けた「シャーマン」が「シャーマニックダンス」を披露し、神々をあがめ、呼び寄せる。「シャーマニズム」は、かつて満州族が信仰していた宗教で、中国北部の多くの遊牧民族の間でも流行していた。現在、ハルビンではシャーマニックダンスなどの満州族の民俗音楽・舞踊の保護に力を入れている。阿城区の「シャーマン文化公園」で、人々はこの古代から続く民俗活動を体験することができる。 

 

宗教文化のほか、労働者の日常生活も方正切り紙の重要なテーマの一つ 

女真族や満州族の伝統文化は、中原文化や他の民族・部族の文化と融合しながら、独特の民間文化を多く生み出してきた。例えば、方正県の切り紙は、満州族の透かし彫り工芸と漢民族の切り紙などの民間芸術が互いに影響し合って生まれたものである。かつて社会生産力が低かった時代、満州族の人々は樹皮や動物の皮、魚の皮などに透かし彫りを施し、シャーマニズムの宗教文化をテーマとする透かし彫り工芸を作っていた。その後、「闖関東」の人たちが中原地方の切り紙文化を方正県一帯に持ち込み、荒々しく素朴な特徴を持つ今日の「方正切り紙」が誕生した。 

  

 

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