ハルビン氷雪大世界

2022-03-08 16:06:52

 

ハルビン氷雪大世界の夜空に打ち上げられた祭りの花火。国際氷雪祭の目玉として、1999年から始まった氷雪大世界には、これまで国内外から延べ1000万人以上の観光客が訪れた 

冬のハルビンは一面の銀世界だ。気温が氷点下十数度まで下がると、松花江に分厚い氷が張る。氷を採る作業員たちは、氷の上で大型電動ノコギリを使って、四角くて均一な大きさの巨大な氷を切り出す。 

採られた氷は、「ハルビン氷雪大世界」の建設現場まで運ばれる。氷の彫刻家と建築家たちの指揮によって、氷をれんがに、水を粘着剤にした透明な建物が次々と作り上げられる。わずか半月の間に、氷と雪でできた巨大な「童話の世界」が、人々の目の前に奇跡のように現れた。開催期間わずか3カ月のこの「氷雪ディズニー」には毎年新しいテーマがあり、どの建築も複製できない唯一無二のものだ。冬季オリンピックをテーマにした今年の氷雪大世界では、聖火の形をしたメインタワーが夜になるとライトアップされ、夜空を赤く照らす。 

 

氷雪大世界に、氷で建てられた聖ニコライ聖堂。この聖堂はもともと20世紀初頭に中東鉄道と共に建設されたロシア風の建物だった 

毎年1~2月に開催されるハルビン国際氷雪祭の期間中に、氷雪大世界はハルビンで最もにぎやかな場所の一つとなる。夜になると、氷雪で作られた純白の建物はイルミネーションで幻想的な光に覆われる。氷彫刻の大会では、精緻を極めた彫刻が来場者たちを魅了する。全長300㍍もある巨大な氷の滑り台から、観光客の興奮した叫び声が伝わってくる。さらに、兆麟公園の氷灯芸術園遊会や太陽島の雪彫刻博覧会など、人々は街のあちこちで、この氷雪文化の盛大な祭りを祝っている。 

63年の氷灯園遊会が前身となったハルビン国際氷雪祭は、過去数十年の間に徐々に規模を拡大し、今では日本の「さっぽろ雪まつり」、カナダの「ケベック・ウインター・カーニバル」、ノルウェーの「ホルメンコーレンスキー大会」と並んで、世界四大氷雪祭の一つとして世界に名をはせている。祭りの期間中、氷雪写真展や氷雪映画芸術祭、氷上の集団結婚式など、さまざまなイベントが開催され、都市全体が氷と雪を愛する人々のパラダイスになる。 

 

新潟市のカメラマンがハルビン国際氷雪祭で撮影した、「氷の都」の特色あるタンフールー(写真・斎藤達彦) 

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