社会問題を教えてくれた中国映画
石橋 芳枝
私は高校3年生の冬、中国映画『少年の君』を見た。私は、この映画を見て、今まで関心がなかった社会問題に興味を持つことができ、深く考える機会になった。映画の中では、中国の学生が受験戦争、そしていじめ問題、またストリートチルドレンの問題が細かく描写されている。私は特にこの映画で描かれている社会問題が心を動かしたのだ。
私が一番印象に残った社会問題は受験勉強によるストレスと家庭環境問題とストリートチルドレン問題だ。なぜ、私が印象に残ったのかというと、私が高校3年生で受験を経験しながら、家族や友達に応援してもらい、乗り越えることができたため、自分が置かれていた環境と映画の中の主人公チェン・ニェンが置かれていた環境との差を感じ衝撃を受けたからだ。主人公チェン・ニェンはシングルマザーの家庭で育ち、唯一の家族である母は犯罪に近い危ない仕事をしながらお金を稼いでいる。そのため頼れる人も存在しておらず、中国の高校3年生、約1200万人を相手に一人で一生懸命受験勉強に取り組む。私はこの姿を見ながら、難しい家庭環境の中、世界の国々の中で最も厳しい中国の受験を一人で乗り越えようとしている主人公チェン・ニェンのような中国の学生について考えるようになり、大変な環境でも努力する子供たちを支援することが大切だと考えた。
また、なぜストリートチルドレン問題が印象に残ったのかというと、自分の居場所がない子供たちの現状を知ることができ、私が知らない世界はたくさんあるということに気づかされたからだ。映画の中では、また一人の主人公シャオベイが道端で喧嘩をして殴り合いをする場面、そしてぼろぼろな家で暮らしている場面が描かれている。私はこの場面を見て、社会には生きるだけが人生の目的であり、たくさん挑戦できる若い時代を整備された環境ではない場所で過ごしている姿に心が痛んだのだ。そして、私たちにはまだ知らない世界がたくさんあり、もっと学んで社会について知るべきだと考えたからだ。
このように私は、中国映画『少年の君』を見たことにより、自分たちと同世代の子たちが苦しむ問題を知り、そして社会に対する新たな観点を持つことができた。そして中国の社会問題である受験戦争、そしてストリートチルドレン問題について関心を持ち始めた。この映画では、中国社会について描かれているが、私は中国だけでなく中国以外の国でも同じような社会問題が存在すると考える。そのため、こうして大学で多くのことを学ぶことができている自分たちが率先して若者たちが苦しんでいる問題を解決できるよう行動するべきだと考える。
最後に私は中国映画『少年の君』を見て、様々な社会問題を考えることができとても幸運だと考える。私は将来、環境が原因で自分のしたいことを思う存分できない子供たちを幸せに暮らすことができるサポートをできる人になりたい。私に一つの目標を与えてくれた中国映画に私は感謝の気持ちを伝えたい。そして、この機会をとおして、わたしに社会問題について考える機会を与えてくれた中国文化についてもっと勉強していきたい。