中国コスメとの出会い
桑田 萌
メイクをすることやコスメ収集がとても好きな私が今注目していることがある。それは中国発祥のメイク方法や中国コスメである。2019年、2020年ごろにはチャイボーグという人間離れした美しい女の子を目指すメイクが流行し真っ赤な赤い口紅などを使うはっきりしたメイクが中国をイメージしたメイクとして若者に浸透した。それから2022年、2023年にかけて新しい中国のメイクが日本の若者の間で流行した。メイクをすることが好きな人やSNSをよく見る人は純欲メイクや白湯メイクなどのメイク方法を見聞きしたことがある人は多いのではないか。これらは中国発祥としてSNSで話題になったメイク方法だ。ほかにも甜妹メイクや杏仁メイクなどもSNSで話題になったが、特に話題になったのは純欲メイクや白湯メイクだろう。まず純欲メイクは少女っぽいあどけなさと妖艶な大人っぽさの両方を取り入れた華やかで血色感のあるメイクが特徴だ。ベースメイクはツヤ肌を意識し明るく血色感のある肌に仕上げる。アイメイクは涙袋とまつ毛はしっかり強調し、まつ毛は束感を意識する。アイシャドウにはラメを使って華やかに。一方で白湯メイクはお白湯のように素朴でシンプルなメイクで淡くナチュラルなメイクが特徴だ。ベースメイクはとにかく色白にマット肌に仕上げる。アイシャドウはラメをあまり使わずマットなものを使う。アイシャドウの色は薄く肌に近い色を使いナチュラルな目元にする。涙袋とまつ毛は純欲メイクと同様にしっかり強調し、まつ毛は束感も意識するなどシンプルなメイクの中でも強調するところは強調する。これらのメイクが流行したときに実際に自分の顔で試してみるといつものメイクよりもかわいくなれた気がしてとてもうれしかった。これが私が中国の現代文化に興味を持つようになったきっかけの一つだ。
次に中国コスメについてだが、私が中国コスメの流行を意識したのは2020年ごろだろうか。初めて私が知った中国のコスメブランドは「flower knows」というブランドだ。初めてflower knowsのコスメを見たとき私は大きな衝撃を受けた。日本や韓国のコスメでは見たことのないかわいらしいパッケージで私の胸は高鳴った。アイシャドウや口紅にはきれいな彫刻が施されており中国のとても圧倒され、私はすぐに中国コスメに魅了された。中国コスメが流行り始めたころは日本のお店で買えるコスメブランドは少なかったが今では多くの中国コスメブランドの製品を日本で買うことができるようになった。ここ数年で日本の若者にどれだけ中国コスメが浸透したのかが伺える。日本で人気の中国コスメブランドとしてflower knowsはもちろん、花西子、ZEESEA、Perfect Diary、Judydoll、jill leen、colorrose、など挙げだしたらきりがないほどたくさんある。日本の若者では中国コスメだと知らずに中国コスメを使用している人も多くいるのではないかと考えられる。正直に言うと中国コスメを使うまで中国の製品にいい印象を持っておらず、コスメも安いし肌によくないのではないかという偏見をもっていた。しかし中国コスメのブームとともに実際に中国コスメを使ってみて中国の製品に対するイメージは大きく変わった。 中国の伝統的な美的センスを駆使したきれいなコスメのパッケージと高い品質はとても素晴らしいものだと思った。それ以来、私はコスメ以外にも中国の音楽や食べ物など実際に中国の若者文化に触れ中国に対する印象も大きく変わり、今では中国語を大学で学んでいる。そしていつかは中国に留学し中国本場で中国について深く知っていきたいと思っている。さらに私は中国に必ずしも良いイメージを持たない若者にもコスメや音楽などの中国の若者文化を通して中国の魅力を知ってほしいと考えている。そのためにも私自身が中国の魅力を深く理解し発信することで日本と中国が協力できる社会を目指していきたいと考えている。