あの人に伝える「我喜欢你」

2022-10-26 10:21:00
平識 魁里

好きな中国語を聞かれたら「我喜你」と私は答える。意味は、「あなたが好きだ」であり、相手に愛情を表現するときに使われる。

この言葉を好きになったきっかけは、Hello Talkという言語交流アプリで出会ったとある中国人女性との会話である。電話やチャットを通して何か月と会話をするうちに、相手のほうから、突然「我喜你」と送られてきたのである。その理由も長文で送られており、初めて人に愛情表現の言葉をいただいた。その時の「我喜你」という言葉は、嬉しいと同時に、日本語の「あなたが好きだ」よりも美しく感じた。お互い住んでいる国は違うが、「我喜你」という言葉を通して、私の生活の中にチャットを通して「会話をする」という楽しみを与えてくれた。

私は生まれた時から漢字に親しんできた。しかし、漢字を見慣れているはずなのに中国語に出会った時の感動は大きかった。ひらがなも片仮名も存在しないのに、文として成立しており、一文字一文字に個性があり美しいと感じた。名詞を数える際の量詞の数も多く、日本語に比べて名詞をより際立たせているのも中国語の良さだと感じている。「我喜你」という言葉の中にある「」という動詞は、使い勝手がよく、中国人に好きなことを伝える際によく重宝する。何かを好きと伝えることは、コミュニケーションを取るうえで大事になってくる。しかし、「我喜你」という言葉は、発するのに勇気がいる言葉だ。重みがあり想いがある美しい言葉である。この言葉を相手が届けてくれたからには、私も「我喜你」と伝えたい。毎日、会話を通して、より一層そう思う。

私は、中国に行きたい。目的が四つある。一つ目は、Hello TalkWeChatを通して中国語を教えてくれる中国人に会いに行き、お礼を言いたいことである。二つ目は、私が学問で古典文学に興味があり、古典文学と中国の関りが深いため、更なる知識の追求と今後の卒業論文等の研究のために中国に行き、文化や言語を学びながら、たくさんの学びを得たいからである。三つ目は、メディア等を通して語られる中国に対する偏見を自分の目で確かめ、正しい情報を伝えたいからである。私の両親も含め、周りには中国に対する悪いイメージを持っている人が多い。しかし、中国には良い部分もたくさんあるに違いない。それらを中国に行くことで発見し、教えていきたい。四つ目は、とある中国人女性に改めて、私から「我喜你」という返事をしてあげたいからである。「我喜你」と相手が勇気をもって送ってくれたのに対して、私はしっかりと返事をすることができなかった。この後悔は今でも残っている。どんな結果になろうと、中国語でしっかり私の想いをぶつけたい。まだ会ったこともない一人の中国人女性が私の中国語学習のモチベーションを上げてくれている。中国に関する興味をさらに持たせてくれた彼女に感謝の言葉も伝えたい。

ある日、中国人とチャットで会話をしていると、「你喜日本?」と質問が来た。私は自信が持てず、「」と返事をした。すると、日本語で「あなたが羨ましい。日本には誇れる文化がたくさんあり、日本のアニメは中国で大人気だ。」と言われた。私は日本に住んでおきながら、そのことに全く気付いていなかった。中国と日本は、昔から影響を与え合って、交流をしてきた。「我喜日本」と自信を持って言えるようになることも、中国を知るうえで大事な要素になってくると、中国人と交流するうえで気づかされた。

私は、まだまだ未熟だ。何も知らない。中国語を知り、中国に行くことで、自分の人生がよりよくなることを期待している。

必ず届ける「我喜你」。そして、私は中国という国が私の人生において重要な要素になると確信している。目的達成のため、今日も私は中国語を勉強する。

 

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