中国と私の使命

2022-10-25 16:35:00

幡谷 瑠寧


差別、偏見をなくすのは、私の使命だ。

中二のとき、中国から一人の女の子が転校してきた。日本に来たばかりで、日本語ができないため、いじめにあった。上履きをゴミ箱に捨てられたり、男子に言葉の暴力を投げかけられた。一番酷かったのは、彼女が中三になり高校受験をした日にみんなの前でクラスの男子に「あなたどこも受からないよ」という言葉だった。泣いている彼女の姿を今でも覚えている。そんな彼女は学校のスクールカウンセリングに通いながら、最後まで不登校にならずに頑張り切った。頑張り屋な彼女を見て、守ってあげたいとの思いから声をかけてよく一緒に遊んでいた。彼女の両親は中華料理店を経営していて、彼女は学校が終わった後のほとんどの時間をお店で過ごしていたため、一緒にいたい時は自然に店に行くようになった。その際彼女の両親からお店の中華料理をご馳走になったり、中国のお菓子等を振舞って頂いた。その際に中国の話をいろいろ聞いて中国に興味を持つようになりました。

お互いに言葉を教え合い支え合い、私は中国語を覚えて中国に留学に行くという未来像を描くことができた。昨年、中国語を専門に学べる高校に進学して本格的に中国語を勉強し始めた。学校で中国語以外に、中国の歴史、文化、風俗習慣など学んでいる。高校では中国への研修旅行が実施されているが昨今の世間をにぎわせている新型コロナウイルスの影響により高校生活において楽しみで期待していた行事が中止になり、とても残念に思っている。中国に渡航できない中、私は日本に居ながら中国との交流ができないかと考え、中国人留学生と交流するボランティア団体に参加したり、中国の大学が開催しているオンライン留学、サマープログラムにも参加した。中国語だけではなく、中国文化、中国料理、中国の名勝古跡もたくさん知ることができた。1972929日に日本と中国の間に国交正常化が実現された。今年で日中国交正常化50周年になる。近年、中国崩壊論、中国脅威論がマスメディアによって分断と偏見を煽り、日中両国民の感情の対立をあおっている。日本、中国の両国民はこれからも手を繋ぎ助け合って生活の充実を図っていこうとしているはずなのにとても残念に思う。最近の中国ではITがとても進んでいて、革新的な技術や、新しいアイデアが生み出され、街中には最新のテクノロジーが溢れていて世界をリードしている。中国の人達は情熱と活力と前途に対する自信に満ちている。日本人はリアルの中国をどれだけの人が知っているのだろうか。日本は昔から、遣隋使、遣唐使と中国から当時最新の技術、文化などを取りいれ、交流を行ってきた。こうした文化の共有により、近い価値観を形成し、お互いを理解できる基盤も築いていると思う。中国の隣邦として日本を含むアジアを共に繁栄させるのは両国の私たち若い世代の使命だと考える。噂、デマを正しく判断し、他人に価値観を支配されないようたくさんの分野の勉強をしなければならない。マスメディアは異文化理解を促進する一方、異文化コミュニケーションを阻害し、誤解を拡大することもある。誤解や偏見をなくせるように尽力し、私は将来、真実を伝えるマスメディア、相互の理解を深め、ウィンウィン関係を築けるようなマスメディアの仕事に就きたいと思っている。

コロナウイルスの脅威が去った後には、中国国内の様々な観光地を旅行し、現地の文化を学びいろいろな生の情報に触れることを楽しみにしている。また、現代のシルクロードを呼ばれている一帯一路の沿線を列車で旅行したいと考えている。ロシアとウクライナの戦争も気にかけてるが、このような結果にならないよう私は日中両国の相互理解が進み永久不戦を心から願う。


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