映画の力、愛の力
李一淳 上海市甘泉外国語中学
私の一番好きな日本の映画は『ビリギャル』だ。なぜなら、この映画には「言っているうちに、願いは向こうから近づいてくる。」というセリフがあり、そのセリフに力と愛を感じたからだ。
この映画の主人公は女子高生のさやかだ。中学生時代の彼女は思春期にあたり、反抗的な態度が強くてぜんぜん勉強しなかった。しかし、塾の坪田先生の指導と母親の支えで、頑張って勉強しようと決心し、ようやく希望の大学へ進学できた。とても感動的で、暖かさと心強さを与えてくれる物語だ。
さやかの母親は偉いと思う。毎日遊んでばかりいて、いつもびりだったさやかのことで何度も学校に呼び出された母親は、さやかを叱るどころか、「さやかといろいろ話ができて、楽しいです。」と言っていた。また、母親はさやかの授業料を稼ぐために、毎日毎晩苦労して働いたが、文句一つもなく、いつも笑顔でさやかに向かっていた。このシーンを見るたびに、涙を禁じえない。いつまでも子どものそばにいて、支えてくれるというのは最高の母性愛ではないかと感心した。子供には安心感と信頼感を感じさせ、いい励ましだ。
さやかの母親のほかに、塾の坪田先生にも印象深い。坪田先生はとても思いやりのある人で、いつも生徒の声に耳を傾け、熱心にアドバイスをする。勉強大嫌いなさやかに対しても差別なく「さやかは本当にいい子ですね。」と励ました。坪田先生のおかげで、さやかは人生の目標を持ち始め、恥や失敗を恐れずに夢に挑むことができた。そんなに立派な先生に出会ったさやかはラッキーだったと思う。
母親と坪田先生の支えと励ましで、ビリだったさやかは諦めずにベストを尽くし、最後に慶応義塾大学に合格した。大学の合格通知書を受け取った瞬間、さやかは美しい笑顔を見せた。この笑顔はつい自分の中学生のころのことを思い出させた。
中学校に入ったばかりの頃、私もさやかのように勉強を怠っていた。ある日、先生のお勧めで、『ビリギャル』を見た。その後、私は大きなショック受け、別人のように変わった。もともと遊んでばかりいた私は真面目に勉強するようになった。なぜかというと、この映画を見て、自分の両親と先生もいろいろしてくれたことに気づいた。
両親は塾の送り迎え,夜食作りなど、生活のあらゆる面で世話をしてくれている。これこそ親の愛というものだね。
両親だけでなく、学校の先生も私のためにいろいろ考えている。小さな進歩でも、クラス全員の前でほめてくれたので、自信がついてきた。不思議なことに、励まされば励まされるほど勉強がよくできた。このように、私は勉強の楽しさを次第に味わえるようになった。彼らも温かさと支えを与えくれた。
「言っているうちに、願いは向こうから近づいてくる。」このセリフに深い感銘を覚えている。やろうと思えばできる。両親も先生もそばにいるから、夢を追う自信がついてきた。これこそ映画の力だ。これこそ愛の力だ。
『ビリギャル』