女の子はどう生きるか

2023-02-07 16:24:00

褚佳 大連海事大学

上野千鶴子という名を初めて聞いたのは三年前のことだ。その時、上野先生は東京大学学部入学式の祝辞を発表した。その祝辞を読んだ後、とても心に響いた。「フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」上野先生のフェミニズムに対する理解は本当にびっくりさせた。「弱者が弱者のままで」強くなることではなく、弱者のままでいい。 

その後、先月のことだが、上野先生の新作『女の子はどう生きるか:教えて、上野先生!』を拝読した。再び先生の考えにたくさんの刺激を受けた。 

名簿の一番はなぜ男の子? 

この部分は「Q5 共学校に通っています。名簿はどうしていつも男の子が先なのですか?」への答えだ。先生はまず「ほんとに不思議ですねえ」と書いている。私もそう感じた。日中共学校の名簿は並び方の差が極めて大きいと感じた。中国の共学校では名簿の一番は必ずしも男の子ではなく、また、名簿は姓のアルファベットの順に並べられる。それに対して、日本の共学校では女の子の名前が後ろに並べられる。それは初耳なのだ。ヘンだろう。男の子が先だ。それは「習慣」だか。「伝統」だか。「当たり前のこと」だか。では、いつからの「習慣」或いは「伝統」だか。また、その「当たり前のこと」の理由があげられないか。日本ではそのようなことがあって、中国では存在しないかと思えば、こんなことが出現した。PCR検査に関するニュースだ。大連全域では、常態化する中のPCR検査は原則として毎週の火木土に集中的に行われて、火曜日は男性のサンプル検査、木曜日は女性のサンプル検査だ。PCR検査の順序も男性が先という事実が現れた。政府関係者はそのように行う理由を示したが、どうして男性優先なのかについては指摘していない。 

別姓で生きるということ 

「夫婦同姓」は日本ではいつも話題だ。先月、参議院選挙の候補者に行ったNHKのアンケートで選択的夫婦別姓制度の導入への賛否について聞いたところ、賛成が62%、反対が29%となった。「日本の法律は『夫婦同氏』の原則を定めているだけですから、夫の姓でも妻の姓でも、どっちでもいいんです」上野先生はそう指摘している。実際の日本社会には、夫婦同姓は極めて普遍的なものだろう。法律と現実の間にはギャップが歴然と存在している。国連の持続可能な開発目標の目標5は「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」ということだ。国連はジェンダーの平等を推進するには、世界的な行動を取っている。日本の場合も多様性を認め合う社会の構築に向けてジェンダーの平等にさらに取り組むべきだろう。 

「女の子はどう生きるか」この複雑な問題に対する上野先生の回答は日本の女の子だけではなく、世界の女の子にとっても有益な参考情報と言っても過言ではない。 

『女の子はどう生きるか:教えて、上野先生!』

 

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