熱い瞬間

2023-01-16 15:10:23

嘉琪 南京信息工程大学

 高校の時、学校には部活があって、に一回だけ部活の時間があった。二胡が弾けるので、民族楽器部という部活に入った。そこでは、他の民族楽器を弾ける人たちもいて、みんなと一緒に曲を弾くとリラックスできた。しかし、行けたのは最初の数回だけで、勉強のプレッシャーが増えるにつれて、だんだん参加できなくなった。部活があまりできなかったことは高校生活の心残りだった。大学に入って、日本語を専攻した。日本の高校の部活を知りたくて、部活を描いたアニメはないかと友達に聞いた。するとその友達は『ハイキュー!!』というアニメをすすめてくれた。 

 このアニメは烏野高校バレー部を舞台にしている。主人公の日向翔陽が相棒の影山飛雄や烏野高校バレー部のみんなと一緒に努力して、全国を目指していく。 

 実はこのアニメの中で、私が一番感情移入したのは月島蛍というキャラクターだ。烏野の他のメンバーに比べて、月島は身長も頭脳も持っているのに、部活にあまり熱心ではない。彼は決められた時間以外は練習をしない。自分の能力を上げることにも関心がない。ただの部活なのに、他のメンバーがどうしてこんなに練習するのか、月島には理解できない。しかしそんな月島も試合を重ねていくことで変わる。 

 この作品では、試合の描写がすばらしくて、魅力的だと思う。一番印象に残っているのは烏野と白鳥沢の試合だ。この試合で白鳥沢のエースの牛島若利は、強烈なスパイクを放った。烏野のブロックでは牛島の攻撃は止められなかった。烏野のブロックの要の月島蛍は牛島の攻撃をじっくり観察し、ついに止めた。攻撃を止めた瞬間、月島は「よっしゃ!」と叫んだ。私もその瞬間、彼と一緒に叫んでいた。試合で相手の攻撃を止めて、チームに貴重な1点をもたらした。戦局が逆転した。冷めたキャラクターだった月島も、その瞬間熱く興奮していたに違いない。 

 私は運動が好きでも嫌いでもなかった。やらなければならないとき以外は運動をしなかった。この作品で私はスポーツに興味を持つようになった。そこで、体育では卓球の授業を選択した。私はそれまで、真剣にスポーツをしたことがなかったので練習は大変だった。それでも課題を克服するたびに楽しくなってきた。落ち着いて相手のコースをよく見て、「バン!」と打ったときが一番興奮した。相手は打ち返すことができず、ボールが地面に落ちた。その瞬間、目の前に何の障害もないように見えた。これが成功したときに見える景色だ。その時、私は月島が攻撃を止めたときと同じ気持ちを感じた。 

 今年は『ハイキュー!!』の十周年だ。アニメも最後のシリーズを作っている。もう4回も見たが、見るたびに初めて見たような気持ちになる。私の高校生活はこんな熱い部活がなかったが、この作品は高校生活の心残りを補ってくれるようだ。部員たちの物語を見て、一緒に泣いたり笑ったりして、私も熱い部活を経験したような気がする。   

『ハイキュー!!』古舘春一

 

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