蒲公英のように

2023-02-10 15:30:00

王文萱 哈爾濱工業大学

「頑張れって言葉嫌いなんだよね。」 

松田奈緒子作『重版出来』という漫画で、やる気のない出版社の営業社員、小泉が呟いた一言である。その言葉を聞いた熱血編集者の黒澤心が、「私は好きです。みんなに頑張れって言ってもらえると、頑張る力が湧いてきます。」そして、「応援してくれた人たちに喜んでほしい。」と答えた。このシーンを見て、「頑張れ」という言葉は本当に素敵で、人に力を与える言葉だと強く感じた。 

私のこれまでの人生は、ずっと「つまらない」と思っていた。中学生の頃から勉強漬けの毎日。他のことをしたいと思っても、良い大学に入り、良い仕事に就くためには、勉強を疎かにし他のことを楽しむことは許されない。大学生になり、たまにサークルの友達と遊んだり、食事会に行ったりしたが、特にやりたいこともな、将来の夢もなかった 

このような私の悩みを友達に話すと、「王さんは、いつもすごく頑張ってるじゃない。すごく優秀だし。今のままで十分だよ。」と言われた。その時、私の頑張りが周りに伝わっていることに気づき、少し嬉しくなった。小さい時から長い間、自分の生活は退屈だと思っていたので、私自身本当に平凡な人間だと感じていた。集団の中では目立たず、人前に立つ自信がなく、努力しても報われるとは限らないと思っていた。しかし、友人の言葉で、たゆみない努力の積み重ねは、無駄だと思ったものでも、いつか自分の力になるかもしれないと気付かされた。今の私は、ただ野に咲く蒲公英のような存在。他の美しい花のように長い茎も優美な姿もなく、一生懸命に綿毛を散らしても、どこに飛んでいくのか分からない。それでも蒲公英は毎年毎年、精一杯に自分の綿毛を壊して、できるだけ遠くへ飛ぶのから、頑張るかどうかを、その成果の有無だけで判断してはいけない。人生に無駄なことは一つもない。前に進んでいる限り、どこに種が落ちても、必ず一つは根を伸ばして、芽を出すの 

「困難にめげないでやり抜く」という「頑張る」の意味どおりに、どんなことがあっても、最後まで我慢して必死にやり続けるべきである。自分なりの頑張りを認めれば、他人から評価されてもされなくても、自分自身を満たすことができ。そして、努力していることを忘れるくらい没頭すれば、何度も頑張る力湧いてくるだろうから、どこに向かい、どこに到着するか分からない蒲公英の綿毛のように、私も、生活を楽しみながら、懸命に進み、頑張り続けたいと思 

『重版出来』

 

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