日本人の自然観
張燕華 雲南大学滇池学院
「映像詩:里山 命めぐる水辺」というドキュメンタリーを見たことがあります。このドキュメンタリーは私に非常に深い印象を残しました。私はこのドキュメンタリーから癒されただけでなく、日本人の自然観にも深く感動しました。
このドキュメンタリーは、現代化が進む日本の伝統的な田舎で、一般家庭の「田中おじいさん」の日常を主に記録したものです。里山とは、山々の間の集落の環境を指します。里山には人間の世界と自然の世界の間の厳密な境界線は存在しません。何百年という時間、村民は自然と調和して、厳しい環境と上手に付き合ってきました。平野の都市がどのように発展、変化しても、里山は自らの環境を保ってきたのです。このドキュメンタリーのいくつかの場面が私を感動させました。例えば、田中さんは川で魚を捕った後、比較的小さな魚を選んで、木の上に置き、飛んでくる鳥が食べるのを待っていました。自然から養われるのは人間だけではないという意識の表れでしょう。このドキュメンタリーは日本人の自然観をよく表していると私は感じました。
日本は国土が狭く、南北に伸びる島国です。海に囲まれた日本は森林資源、水資源すべてとても豊富です。日本人はこの土地で耕作し、収穫し、生活し、最後に土になって自然に帰っていきました。日本人は自然と一体化してきたのです。日本人にとって、日本列島は地上の天国。そのため、日本人は自然に対して感謝の気持ちに満ちているのだと思います。これは日本人の環境意識が強い理由の一つかもしれません。
東京オリンピックは史上最もエコなオリンピックと言われました。表彰台は廃棄プラスチックを回収して作られ、メダルはすべて電子機器をリサイクルして作られました。一部の人は冗談を言って日本を「ケチ」だと笑いますが、私はそれが、日本人が昔から里山の自然と共に生きてきた環境意識の表れだと思います。日本人にとって自然の前では人間はいかにも小さく、自然の中に人間の生活があるのです。
日本人の自然観は生活のいろいろなところに表れています。よく知られているように、日本人は花見が大好きです。これも彼らが自然を尊び、自然に親しむ重要な方法です。また、日本人が住む家のデザインも自然の特徴を示しており、日本の伝統的な家屋には室内から屋外まで厳密な境界はありません。室内の飾り物も松や花などの植物を多く使います。食べ物でも、日本人は生食が好きで、多くの食べ物は本来の自然な風味を維持してこそ最もおいしいと考えています。ここにも彼らが自然を尊重し、自然を愛し、自然に回帰する意識を見ることができます。
まさに日本人のこのような自然に対する謙虚な心が、いつかは自然に帰る「死」を意識しながら、命や生活を大切にする日本の文化に表れていると私は思います。
『映像詩:里山 命めぐる水辺』