自分の好きな生活を過ごす

2023-02-13 14:57:00

張逸飛 内蒙古大学

「空気を読め 

子どもの頃、いじめられたのは、実家が貧乏だったとか、容姿がよかったとか、成績がよかったとか、人と違うところがあったとか、いろいろな理由があるかもしれない。人と違うと、ひどい目に遭ったり、仲間はずれにされやすくなったりする。そういうことがあるから、私たちは人の顔色を伺って、嫌われないように空気を読みながら暮らしていて、ありのままの自分を隠しながら、まるでイワシの群れの中にある沈黙の魚のように海に沈んでいく。 

私は『凪のお暇』という漫画を読んでから、感想がいっぱい湧いてきた。主人公の大島凪は、元々東京で働いていて、同僚から雑用仕事ばかりを押し付けられても、職場の女子からマウントを取られても、相手を気遣うふりをしつつ、笑顔で笑い飛ばしていた。彼女は心の中で「空気、読んでこ」と繰り返して自分に言い聞かせ、耐え忍ぶ日々を送っていた。ほかの人から見れば、華やかな生活を送るように見えるだろう。 

しかし、場の空気を読みすぎて、他人に無理矢理に合わせた挙句の果てに、過呼吸を起こして倒れてしまった。彼女が一生懸命に守ろうとしてきたのは、人魚姫の夢のような、触れられるとすぐ壊れるはかない幻だったのかもしれない。 

凪はまるでアンドロイドのように、真似をしたり人に媚びたりすることで、微々たる存在感を得ている。社会はもっとアンドロイドを必要としているかもしれないが、果たしてこれが私たちの望む生活なのか。 私たちは、非難されないようにアンドロイドになりつつあるのではないか、と私は常にそう考える。 

彼女はいつから変わったのかというと、以下のセリフを言った後だと思う。 

「空気って読むものじゃなくて、吸って吐くものだと思う」 

彼女は郊外のボロアパートに逃げるように引っ越し、自分探しの旅に出た。人間は誰でも社会の中で生きているが、社会は無数の個人から成り立っている。人の個性と社会のルールをいかに調和させるかは、私たちにとって一生の課題だと思う。 

おそらく世間の目から見ると、彼女は仕事も彼氏も家もすべて捨て、失敗しすぎただろう。しかしその代わりに、彼女は本当の自分を取り戻してきた。わざわざストパーをかけるのではなく、大切にしてくれる親友を作って、ウィッシュリストを書いてそれを一生懸命やり遂げ、小さなクリーニング屋を開き、数えきれないほどのささやかでシンプルな幸せのかけらを集めて、自分の好きな人生を過ごせるようになった。成功の定義は、単に有名な大学を卒業し、出世してお金持ちになるだけではなく、自分の好きなことができ、自分自身のことを本当に好きで受け入れることができることだと思う。 

人生はもともと野原で、すべて計画通りに進むものではない。李華はお土産屋を開き、小明は北京大学に合格し、阿紅は会社を辞めて起業した。彼らにはすべて明るい未来が待っている。 

                                                           凪のお暇

 

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