萎れぬ桜

2025-01-10 15:40:00

楊雲驄 北京大学 

 

私は昔のドラマにあまり興味がなかったが、大学の先生にすすめられ、中日友好の代名詞とも言える赤い疑惑を見始めた。物語の展開は私の胸をふるわせ感動のあまり涙が溢れた。確か作品は私を惹きつける魅力な所があと意識した 

主人公の少女幸子が、偶然に巻き込まれた事故で白血病に見舞われた。この不幸な少女幸子の立場から、親子の絆、許されない愛などがシリアスに描かれている。 

特に、クールな外見に反する慈愛に満ちた父親、大島茂への印象が強い。幸子の実父でないにも関わらず、養女の十八年間の生い立ちをずっと見守ってきた。医者として、不治の病に罹る幸子を死のから救い出さんがために最善を尽くした。父親として、強さと繊細さを併せ持ち、幸子が悲観のどん底に陥るたびに、いつも暖かく励ましている。こような頼もしい父親がそばにいてくれたら誰もが心強くなるに違いがない。 

また、主人公である幸子の粘り強さにも胸に響いた。無数の若者と同じ、幸せな青春を満喫するはずだった幸子は、難病に苦しむのみならず恋人が自分の実の兄、育ての親が生みの親ではないなど、信じ難い衝撃を次から次へと受けていた。しかし、そんな彼女はやぶれかぶれになることなく、必死に涙をこらえ、楽観的に闘病生活を送っていた。たとえ余命わずかだとしても人生の目標を見定め、助けてくれた人々に常に感謝の気持ちをもっており、苦難をものともせずに乗り越えようしたこの芯の強い姿深く感銘を受けている 

幸子は最期の夜、桜がちらちらと舞い落ちる小路を、ゆっくり散策した。私はなんと美しいことかと嘆きしつつ、咲いては散る桜を見つめながら、思いついた。桜はその綺麗さもさることながら、その命の短い儚さが私の心を捉えた。花は一週間しか満開しないが、その咲きぶりは末永く人々の心の底に刻み込むだろう。前向きな幸子も赤い疑惑も、まさに桜のように何十年を経っても、色褪せることなく、両国間の人々の胸に残り、今やZ世代の私をも魅了させ、非常に心を惹きつけている存在である 

赤い疑惑をはじめとした素晴らしい作品は、中日友好関係の架け橋として、大切な役割を果たしている。日本の作品だけでなく、これから中国の奥深い文化を日本に向けて発信していくことにより、中日友好の花を永遠に咲かせるように、我々外国語学習者、再出発しよう! 

 二十世紀八九十年代、改革開放政策の実施に伴い、数多くの日本のテレビドラマ作品が中国で放送された。中国視聴者は山口百恵が主演した『赤い疑惑』に涙が誘われたほど深く心を打たれた。当時我が国指導者は、来中した赤い疑惑の父親役を演じた日本の名優宇津井健の両手をしっかりと握り締めながらこう語った:「あなたの演じた偉大なる父親大島茂のイメージ中国で高い評価得た
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