理解と協力で幸せな生活へと

2025-01-10 15:48:00

林家和 広州大学 

2022年の夏休みに、私はクラスメートから上野千鶴子と田房永子の「フェミニズムについて」という本をもらった。 

75ページにある田房の「A面・B面」という絵に私は脱帽だった。その絵は、社会にはA面とB面があり、社会的な性別によって、人為的に男性を政治、経済、仕事というA面に押し込み、女性を介護、育児、家族というB面に結びつけたものだ。それを目にした瞬間、私は大きなショックを受けずにはいられなかった。その絵に、自分の両親を見たからである。 

あれは何の変哲もない1日の夜のことだった。その日特に用事がなく、家に一人でいた私の母は、インスタントラーメンで食事を済ませようとしていた。突然、父が家に駆け込んできて、せっかちに「大事な友達が来るから晩ごはんを用意してくれ」と一言残し、せかせかと外にタバコを吸いに出て行った。母は「インスタントラーメンなんて、立派な晩御飯とは程遠いわね」とため息をつき、眉を寄せた。 

約一時間後、食事ができ、みんなが席に着いた。その途端、父は満足げに「いい奥さんがいて幸せだな」と言いながら、白酒を楽しそうに飲み始めた。何杯か飲んだ後、父はいつものように酔っ払って暴れ出した。前の年に飲酒運転で父が免許を取り上げられたのを思い出した母は、「もう飲み過ぎじゃないの」と怒りに震える声を張り上げた。私は呆然としていて、何も言えないでいた。 

数秒後、父は「仕事に追い込まれる俺の気持ちを、ただご飯を作るだけの女に理解できるものか」と言い放ち、皿を床に叩きつけて割った。「何で私の苦労を理解してくれないの。いつも急に食事を作らせて、私の意見を一度も聞かないで。何十年も家事をしてきた私に、一度たりとも『ありがとう』と言ったことがあるの」と、母は涙声で訴えた。一体どうすればいいのかわからず、途方に暮れた私は自分の部屋に閉じこもった。 

その日の両親の言い争いは、私に二人のそれまでについて振り返らせた。両親は長い間、家族のために、大変苦労してきたのではないか。なぜお互いに理解してくれないのだろうか。その疑問を胸に、私はじっくり考え込んだ。 

そして、また両親が喧嘩した時、私は自分の言いたいことを二人に伝えた。「お父さん、お母さん、いつも家族のために頑張ってくれてありがとう。息子の私は、二人がずっと幸せでいてほしい。お父さんは、いつも家族の柱としてみんなを支えてくれてきたのを心から感じているよ。お母さんも一生懸命家族の世話をしてくれて、大変だよね。二人とも、私にとって欠かせない存在だよ。お父さん、お母さん、ありがとう」。言葉を終えたその瞬間、両親は私も抱きしめ、涙を流した。 

その日以来、家は少しずつ変わっていった。父が初めて「一緒に食事を作らないか」と言った時、母は、「いいよ」とにっこり微笑みを浮かべて答えた。その柔らかく温かい笑みは、まるで日差しが家の中を照らし込むかのようだった。 

 

 
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