好きなものを追い求め、そして大胆に分かち合おう

2025-01-14 14:18:00

高鳴旭 上海師範大学 

 

コミュネットの大幅に発展している今日において、私たちはもっと自由に、自分の好きなものを人々と分かち合うことができるはずなのに、他人から異質だと思われることを恐れ、一歩を踏み出せない人がますます増えてきており、私もその一員であった。だが、今年の四月から放送が始まった「夜のクラゲは泳げない」という、好きなものを探し求めている過程の中で次第に自分が平凡ではないと感じるようになった少女たちの「青春創造群像劇」を描くオリジナルアニメは、私を変えてくれた。 

物語は現実の東京・渋谷を舞台とする。周囲の視線が気になり、自分の趣味を諦めかけていた四人の少女が運命的に出会い、Jeleeというチームアカウントを通じて匿名で創作活動を始めた。彼女たちそれぞれの好きなものは、創作活動のプロセスにおいて大切な役割を果たした。四人のチームが成長していく過程で、嬉しいことたくさんあったし、悩みや対立などにも出会った。メンバーたちは互いに励まし合い、助け合い、様々な困難を乗り越えて前向きに進め続けていた。最終話は、チーム当初の目標を達成した少女たちが高校を卒業し、未来に向かって前進していくというシーンで締めくくり、私は心を打たれ、思わず涙が出てしまった 

アニメの主人公である光月真昼はクラゲが大好きである。「クラゲというものは、自分で泳げない、流れに従って……」という言葉をいつも口にしている。真昼は小さい頃から水生生物、特にクラゲを描くことが大好きであり、彼女の描いたクラゲの絵は渋谷区役所に壁画として採用されたこともあった。だが、世間の評価、特に壁画の作者を知らない友達が思わず口にした「変な絵だな」というコメントを聞いたとき、真昼は大きな衝撃を受けた。孤立されることを怖がる真昼は自分の身を守るため、事なかれ主義の道を歩むようになった。このシーンを見たとき、私はとても共感した。私たちの周りには、世間一般とは異なる趣味を持っている人が多くいるが、それを熱心に他人にアピールすると、嘲笑や不評を買い孤立されてしまうことさえある。個性的な嗜好を持つことは悪いことではないのに、往々にしてひどく扱われ,それが人に与える影響は計り知れない。 

「でも、クラゲは外界からの光を十分に蓄積すると、輝くこともできる」と、光月真昼という名の「クラゲ」は山ノ内花音という名の「光」に出会ったとき、クラゲの第二の特徴を語らずにはいられなかった。このアニメでは、真昼や花音のみならず、誰もが「クラゲ」であり、そして他者を照らす「光」にもなれる。自分の趣味は、他人からは異質と思われるかもしれないが、その趣味を理解し、鼓舞してくれる人もいる。だからこそ、チーム「Jelee」はまとまり、メンバーたちは成長できた。毎週更新されるアニメの最新話を見るたびに、私たちの現実生活も同じではないか、と思わずにはいられなかった。人は時として、自分の秘めている輝く可能性に気づいておらず、クラゲのように流れに身を任せている。実は、誰もが他人の趣味を理解し、鼓舞することができる。私たちは光になり他人を輝かせることができる一方、輝かせてくれる光に出会えば、私たち自身もまた「特別」になれる。皆が励まし合えば、世界は色とりどりのクラゲでいっぱいの大きなアクアリウムのようになるだろう。 

私はアニメのオープニングソング「イロドリ」が大好きだ。曲のサビには「飲み込む 苦い酸っぱい塩っぱい意外に甘いのかもしれないな」という歌詞がある。他人のことを受け入れてそれを見守り、そして自分の好きなものを追い求める第一歩を勇敢に踏み出し、イロドリの世界に飛び込もうと、きっと私たちを励ましてくれているのだろう。 

 

 

 
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