家とは何か
任芸 北京師範大学
ある週末の午後、是枝裕和監督の映画『海街diary』を見た。日本らしい内容と素朴なセリフに、清々しい海風が吹いてくるような感覚を覚えた。腹違いの四姉妹がそれぞれの悩みに直面しながらも、いつもお互いを支え合うという温かい物語だ。平凡な生活と彼女たち感情の変化の中に、私は生活の美しさを見た。
この家族の物語は、私に「家」の意味を教えてくれる。家とは、家族である。水割りの梅酒、浴室に突然現れたゴキブリ、姉が失恋した時に買った梨など、四姉妹の助け合いや、人物一人ひとりの感情が見え隠れする様子は、「家」ならではの光景だと思う。
子供の頃の私は、家とは「いつも家族といる場所」だと思っていた。毎日同じような生活に飽き、よく「家を出て、色んな場所に行って、色んな景色を見たり色んな友達を作ったりしたい」と思っていた。
その願いは大学に入って実現した。そして、家は「連休に帰る場所」になった。そんな時にこの映画を見て、「家とは何か」を改めて考えるようになった。
映画の中の四姉妹は、それぞれの人生において大きな挫折を経験しながらも、いつもお互いを励まし、支え合っていた。私たちは、一人ひとりが自分のやり方で一生懸命に生き、学び、成長し、この世界に適応しようとしているが、その過程における家族というのは最も心強い後ろ盾であり、そして家というのは最も心温まる場所なのである。
大学に入ってからというもの、私は試験がうまくいかなかったり、面接に落ちたりと、大小の挫折に見舞われた。しかし、家族は私を非難することなく、一緒に原因を考え、アドバイスをしてくれた。
また、今年の夏休み、私はアルバイトのために故郷に帰ることができなかったが、両親が遠路はるばる北京までやって来て、部屋を借りて私と一緒に過ごしてくれた。毎日部屋に帰ると、家族の笑顔とテーブルの上に並べられた夕食が出迎えてくれた。その瞬間は本当に幸せで、心が満たされた。
私を含め、多くの人が夢を実現するために外で頑張っている。しかし、家族の愛を忘れてはならない。「家」とは、家族が互いに理解し、愛をもって支え合う場所なのだ。だから、家族と一緒にいる時間を大切にすべきだと私は思う。
花火、海、鎌倉の街……映画の中の風景はどれも絵画のようで魅力的だった。しかし、私が本当に魅力を感じたのはそこに生きる人々、特に四姉妹たちの生き方だ。この映画には、家族の温かみと生きるための希望が詰まっていて、私が「家」の意味を改めて考えるきっかけになった。
今の私にとって、「家」とは人生の不可欠な部分であり、いつまでも愛のある場所だと思っている。私は、これからも家族を大切にし、家族が困っていたら全力で助け、休みの時はできる限り家に帰って家族とともに過ごしたい。