「思い出なんか、いらん」――失敗から学ぶ勇気
首欣雨 大連交通大学
この間、あるコンクールに参加しました。目標は最優秀賞でしたが、決勝戦の資格すら得られなかったと知った瞬間、全身の力が抜けるのを感じました。何かが壊れてしまったような感覚でした。何度も過去の自分と比べ、今年の自分には何が足りなかったのか自問しました。
その時、友達が「『ハイキュー!』というアニメを見てみたら?」と勧めてくれました。正直、バレーボールには全く興味がなく、見る気にはなれませんでした。しかし、友達が「見終わったら感謝するよ」と言ったので、試しに見ることにしました。
このアニメは、天才の選手たちの物語かと思いきや、主役は小柄な男の子でした。ご存じの通り、バレーボールは身長がものを言います。それにもかかわらず、この少年は小柄というハンデを抱えながら、絶対に諦めることなく夢に向かって突き進んでいました。彼を笑う人もいましたが、彼はただひたすら努力を重ねていきます。全国大会へ進むために避けて通れない重要な試合のために、毎日練習に励み、疲れ果てても決して止まりませんでした。チームメイトと共に汗を流し、連携を高め合い、全力で準備を重ねていきました。時間が経つにつれて、彼らの動きは一体となり、息の合ったプレーが繰り広げられていきました。その姿に共感し、「ずっと勝ち続けてほしい」と心から応援していました。それでも、結果は敗北でした。この試合は私の心に強く刻まれ、涙が出そうになるほど印象深いものでした。しかし、彼の努力が足りなかったからではありません。試合後、彼はこう言いました。「今度の失敗はこれでいい。次は必ず勝つ」。その言葉には彼の決意が感じられ、私も心を動かされました。
この物語は、ありふれた「努力と勝利」の話に思えるかもしれませんが、失敗に打ちひしがれていた私には大きな励ましとなりました。コンクールで期待していた成績を残せなかった私は、しばらくその事実を信じられずにいました。私はいつも結果ばかりにこだわり、「結果こそが全てだ」と自分に言い聞かせてはいても、結果が伴わないと、どうしてもがっかりしてしまいます。上には上がいると言われるように、たとえそこそこの結果を出せても、いつかは必ず失敗が訪れます。しかし、失敗は恐れるべきものではありません。成功か失敗かにかかわらず、挑戦すること自体に価値があるのだと、私はこのアニメを通じて改めて感じました。
『ハイキュー!』でのチームスローガン「思い出なんか、いらん」という言葉の通り、過去の失敗にとらわれず、前を向いて次の挑戦に進むべきだと思います。今日、敗者となった私たちも、明日どんな存在になるかはまだわかりません。これからも勇気を持って、挑戦し続けたいと思います。