『ロストフの14秒』を見て
張如意 天津商業大学宝徳学院
2018年夏、あの時の衝撃を覚えていないか。ロシアにおいてサッカーワールドカップが行われた。日本チームは南米やアフリカの強豪とのグループリーグを突破し、決勝トーナメント1回戦に臨んだ。ロストフにおいて、日本が史上初のベストエイト入りをかけ、優勝候補のベルギーと激突した。しかし、日本が待ち受けたのは残酷な結末だった。ただその14秒、ベルギーが日本に勝った。その14秒は日本人全体を沈黙させていたものだ。
この試合の後、日本のNHKは半年近くの時間をかけ、50分間のドキュメンタリーを作り、この14秒間の全てを詳しく分析してから反省した。試合の前半、日本はベルギーを二点リードした。けれども、同点に迎えた後半のアディショナルタイム、試合の流れが変わった。キャプテン長谷部誠の小さいミスで、試合が同点になった。長谷部誠はその時、曖昧な采配で時間を無駄にしていたと深く後悔している。試合中のこのようなミスは日本全国を反省させるようになった。試合が終了後、世界中のサッカーファンがこの名勝負の14秒を惜しんでいる。この瞬間は日本サッカーの記憶となっただけでなく、サッカーファンの心にも深く残った。NHKでは、半年近くをかけ、28台のカメラによる14秒間の映像を製作した。ドキュメントの最後に、ある日本人選手が重たい質問を投げかけた。「ロストフの14秒が4年後、奇跡の原動力になるだろうか」。この問いは時の流れに反響し、日本サッカーの永遠のテーマとなった。
日本人はいろいろな形式で反省している。例えば、金城宗幸さんが脚本、野村優介さんが作画を担当する『ブルーロック』は講談社のマンガ誌『週刊少年マガジン』で2018年8月より連載がスタートし、大ヒットになった。この漫画は、2018年のワールドカップで日本が決勝トーナメント1回戦で敗れ、その行き詰まりを打破される「ストライカー」を育成するため、日本サッカー連盟が優秀な高校のストライカー300人を集め、「ブルーロック」という閉鎖的なサッカー実験場において299人の将来が犠牲になっても、唯一のストライカーを誕生させるというものだ。しかも、この漫画の主人公は「潔世一」という名前で、潔が世界一である意味も含む。これは日本の強くワールドカップを手に入れたい思いが表れている。
4年後のカタールワールドカップにおいて、日本はドイツを破り、世界を驚かせた。しかし、かつてのベルギーはベスト16にも入れなかった。失敗したら反省し、過ちを犯したら修正する。その反省精神のおかげで、日本のサッカーは昔に比べかなり進歩してきた。日本はいつかワールドカップを手に入れるかもしれない。だから、中国サッカーも他国の良いところを見習い、自分のレベルを上げていかなければならない。