限りある命で思う存分に生きていく

2025-01-14 15:48:00

夏蘇渝 四川外国語大学 

 

あと10年しか生きられないとしたら、あなたは何をしますか。」 

「余命10年」という小説を読んで「命」について考えるようになった。 

この小説の主人公、茉莉にとって、10年は短過ぎたかもしれない。彼女はこの世界には多くの素晴らしいものがあり、食べたい物があり、遊びたい事もあり、愛すべきものが多くある。彼女は二十歳という、人間の一番活力がある年齢の時に、「余命10年」と宣告された。そして、その10年間はずっと病気と闘い苦しんでいた。 

最初、茉莉は自分が一番惨めだと思っていた。彼女は他の人の健康を羨み、自分の命を大切しない人を責めた。彼女は「なぜよりによっては私なのか」と思っていたかもしれない。しかし、彼女は積極的に治療に励み、やりたいことを何でもやっていた。人にとって十年は長いかもしれないが、茉莉にとって十年は短く、あっという間の十年であった。茉莉の人生は満開の桜のように綺麗で短く、夜空に咲いた花火のように絢爛で一瞬で消えた。最後、茉莉は思い残すことは何も無く静かに死に向かっていった。この、茉莉の迫りくる死との向き合い方を読んでいると、死について考えるようになった。 

ある日、日本人の先生が「自分の父親は重病で、余命も短いかも」と言った事があった。私は驚き、先生を慰める言葉を探してみたが思いつかず何も言えなかったが、その後先生は、「仕方ないよね」と言って微笑んだ。私は、先生が言った「仕方ないよね」という言葉を聞いて、先生は自分の父親の死を受け受け入れていると感じた。しかし、もし私が先生と同じ状況だったら、どんなことをしてでも、何とかして治療法を探し、一日でも長く生きられるようにすると思うので、当たり前の事だが、人によって死に対する考え方も様々であると、改めて思い知らされた。 

思い起こせば、私が中学校二年生の時、あるクラスメートが川で溺れてしまい亡くなってしまうという事故が起きた。それまで、自分の身近で人が死ぬという事が無かったので、それ以降、長い間ずっと死の恐怖に包まれている。今でもそのような思いは持ち続けている。 

今回、「余命10年」という小説を読み、人の命の限りを改めて思い知らされたような感じだ。実際に、全ての生きている人間は、いつかは必ず死ぬものだ。命に限りがあるが、多くの人は、その「いつか」は分からない。この事は残念で悲しい事だが仕方がない。 

「あと10年しか生きられないとしたら」 

私なら何をするだろうか。この小説を読んで、「人の命」というものを考えるようになった。私は命のある限り、前向きに楽しく、思う存分に生きていきたい。 

 

 
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