パセリのような人生

2025-01-10 14:43:00

  

馮欣雨 三江学院

最近、「これからどのような人生を送りたいか」という質問が友人との会話で私に投げかけられた。その時、私は答えることができなかった。その答えがわからなかった。しかし、ドラマ『カルテット』を観た後、その答えは私の心の中で徐々に明確になってきた。私はパセリのような人生、パセリのようにシンプルで目立たないがその価値を失わない、そんな人生を送りたいと思っている。 

ドラマ『カルテット』の主人公である巻真紀、すずめ、家森、別府の4人は、いわゆる伝統的なドラマにおける主人公のような完璧なキャラクターではない。彼らは平凡で、ごく普通であり、それぞれに欠点をもつ人たちだ。しかし、ドーナツには穴があるからこそドーナツらしく見えるように、人間は誤りや欠点があるからこそ、それがその人らしく魅力的に感じられる。彼らが結成した音楽バンド「ドーナツホール」も、その「欠点」という個性が彼らを結んでいる。彼らは誰もがパセリのように目立たないが、その人の持つ個性でバンドを彩り、輝きを放っている。ドラマに出てくる「咲いていても咲かなくても、花は花だ」というセリフは、私にも容易に理解でき、何度も繰り返し聞くうちに、素直なありのままの自分になれるような気がした。パセリは目立たずシンプルだが、役に立っていないわけではない。そこからは、自分自身を尊重し、自分の価値を尊重することが重要であることを学んだ。 

『カルテット』の最後には、夢を諦めたある演奏家からの疑問が描かれている。演奏レベルが低く、演奏に向いていないにもかかわらず、なぜ自分は演奏を続けなければならないのか。自分は無用の存在であると感じているにもかかわらず、演奏を続ける意味は何なのか。このような疑問は、現実の人生の中でも存在するものである。しかし、人生は意味がなくてはいけないのだろうか、意味があるからこそ行動するものなのか。ただ単に自分の人生を愛するだけではいけないのか。私は、人生は必ずしも周りからの賞賛や拍手を必要としないと思う。 

現代社会においては様々な不安が高まり、人々はますます内向きでネガティブな状態になっている。努力しても成功することなく人生が終わってしまうと感じ、諦めの気持ちを抱く人もいる。また、自分が無用な存在あると感じ、存在価値を見出せない人もいる。一方で、自分の好きなことに興味を持ち続ける人もいる。また、ゆっくりと人生を歩むことを選択する人もいる。このような人生を選択する彼らは決して消極的ではない。彼らは生活を愛し、人生を尊重し、自分を尊重し、自分の愛することのために生きている。私は、このような人生を送ることを望んでいる。そう、パセリのようにシンプルで目立たないがその価値を決して失わない、そんな愛に満ちた人生を送りたい。 

では、あなたはどのような人生を送りたいと考えているのか。 

 

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