一度きりの人生、どう生きるべきか

2025-01-16 14:52:00

唐笑(嶺南師範学院) 

日常生活でこんな話を耳にすることがある。「もし生き直せるとしたら、どんな人生を送りたいと思う?」、「まず宝くじを当てて、お金持ちになりたいな」、「でも、来世は人間じゃなく、ネコかイヌになれたらいいな。勉強も仕事も要らないし」など。人類社会において、苦しみを一度も経験したことがない人なんていないからこそ、誰もが楽な生き方を求めるのは共感できることだろう 

ところが、最近見たドラマ『ブラッシュアップライフ』では、人生のやり直しをテーマにしたシーンが出てくる。主人公の近藤麻美は、三十三歳で交通事故に遭ってなくなり、最初はオオアリクイではなく、人間に転生することを目標に、人生をやり直す物語が描かれている。第一話を見たとき、彼女がなぜ再び人間として生まれ変わろうとしているのかという疑問が浮かんだ 

物語が進むにつれて、その疑問は徐々に解消されていった。近藤、宇野、門倉、米川の四人の友情が丁寧に描かれており、その深い絆を持っていれば、人間に転生したいと思うのは自然なことだと感じた。特に、第四回のやり直しでは、近藤が人間に生まれ変わるチャンスを放棄してまで、親友や他の人を助けようとする姿が印象的だった 

このドラマを見て、あることに気づかされた。私はこれまで、よく苦しさを感じてきた。勉強、人間関係、運動、やりたくないことが山積みだった。それでも、もし明日誰かに褒められたら?新しい何かが芽吹いたら?思いがけない祝福が訪れたら?そんなことを考えるたびに、まだ知らない未来を迎えに行きたくなる。世の中には、目には見えにくいけれど、細やかな幸せがあふれている。それを見つけて感じ取ろうとしないのは、もったいないことだ。だからこそ、それらを宝物として大切にし、守っていきたいと私は思う 

さらに注目すべきは、近藤は人生を5回やり直す機会を得たことで、少しずつ後悔を修正していけたが、私たちは「自分」としての人生は一度きりだ。もし、後悔や「やり残した」という思いにばかり囚われていたら、未来の生活がうまくいくのは難しいだろう。だからこそ、前向きに生きることが大切なのだと思う。そもそも、人生とは大袈裟なセリフが繰り返される演劇でもなければ、売れるためだけに作られたドラマチックな物語でもない。決まった道などなく、誰もが自由に、自分が送りたい人生を選べる。非凡であろうと、平凡であろうと、その価値に優劣はないのではないか 

ドラマの最後、四人は共に人生の最期を迎え、それが彼女たちにとって円満な一生だった。では私たちはどうだろう。どんな形であれ、悔いのない一度きりの人生を過ごすために、今を楽しむことが大切なのではないか。そんなメッセージがこのドラマから伝わってくる 

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