国のため、道のため
陳雨莎(瀏陽道吾中学)
「国のため、道のため」という言葉は最初、ドラマ『JIN-仁-』で聞いた。このセリフはドラマに何度も出てきて、出るたびに大きな感動を与えてくれる。
主人公の南方仁は東都大学付属病院の脳外科医だ。手術した後、頭部に傷を負った男が逃げ出したため、南方は追いかけて階段を転落して気絶し、目が覚めると幕末期の江戸にタイムスリップした。ここで、彼は現代医学の知識を利用して多くの患者を救った。南方は超能力があるわけではなく、自分の知恵に頼って、多くの困難を克服して、奇跡を創造した。さらに、南方仁は緒方洪庵、勝海舟、坂本龍馬などの偉い歴史人物とともに、激動の幕末時代を経験した。
南方仁はいつも医者としての重い責任感を持つのは、私を深く感心させた。特に印象深いのはある母親は、子供を助けようとして不幸にも馬に頭を蹴られ、命が危篤になった。麻酔薬がない中、母親は激しい痛みに耐えて縫合手術を乗り越えた。南方は病人が気絶するほど痛みを見て、無力さを感じた。その時、「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉が頭に鳴り響いている。患者の痛みを比べて、彼の悩みは何でもないだ。ついに、南方は手術を無事に終えた。いつも迷い込んだ時、患者の苦しい表情を見ると、彼は迷い気を捨てて、全身全霊で患者の治療に没頭した。彼の命を取り上げようとした兵士が怪我をしても、南方は人を救うことを選んだ。
その中緒方洪庵も私が大好きな人物だ。当時徳望が高い蘭方医として、自身の医学研究に誤りがあることを認識した時、彼は自分の不足を受け入れた。そして、南方を自分の研究所に招いて講義し、彼の授業を受ける態度は誰よりも真剣だった。南方はペニシリンを開発する時に多くの邪魔をされて、緒方は研究開発のため奔走した。南方は自分の行為が歴史を変えてしまうと心配する時、緒方はずっと「国のため、道のため」という信念を持ち、南方を励ました。あの孤独な時空の中で、彼は南方の唯一の聞き手だ。彼のおかげで、南方数え切れない試練を乗り越えていくことができた。二人とも尊敬するべき優秀な医者だ。
ほか、周囲の人も南方に影響を与えられた。例えばヒロインの橘咲は旗本の身分縛りを捨てることを決意し、医学に心を打ち込んだ。坂本龍馬も南方に励まされ、強国富民の道を探していき、船中八策に国民医療保険の設立が加わった。
南方仁は小さな歯車であり、彼の努力によって運命の大歯車が動き続け、歴史全体を前進させてきた。南方は私に医者としての責任を意識させ、同時に私たち自身も歴史の流れの一員であることをはっきり認識させる。南方のように優秀ではないかもしれないが、私たちも各自の使命を持っている。他人や社会に対しても、私たちは無視できない存在だ。ですから、正しい道を選んで、自分ができる範囲にみんなの幸福のために頑張っていて、それは私たちができる「仁」だ。