外国人が知らぬアイヌ文化
馮宇慧(山東工商学院)
最近、『ゴールデンカムイ』という漫画を読んだ。この漫画は、北海道の大自然とアイヌの文化を舞台に、壮大なストーリーを紡ぎだしている。その意味深いストーリーと魅力的なキャラクターで心を捕まえて、つい一気に読み切った。本当に素晴らしい作品だと思う。あらすじは以下の通りだ。
「不死身の杉元」と呼ばれた主人公の杉元佐一は帰還兵だが、親友の遺志を満たすために大金が欲しい。北海道の何処かにアイヌが隠した埋蔵金があるので、その宝蔵の手掛かりを探し出す旅に出た。杉元は危機が迫ている大自然と同じ目的を持っている凶悪な死刑囚を正面から向き合わざるをえない。そして、彼は旅の最中にアイヌの少女―アシリパと出会た。彼女は猟人の子供なので、まだ若かったが、既に多くの巧妙な狩猟技術を身につけた。動物を捕まえるためのトラップ作りが上手で、神のお導くを受けているようだ。冒険の途中は狼や熊などに遭うことがよくあるから、アシリパはいつもそれを原材料としてアイヌの特色ある料理を作ってくれた。かつてアイヌグルメ漫画だと思っていた。その中に、私が一番印象深い料理は「チタタプ」というアイヌ料理だ。「チタタプ」は刀で動物の頭から尻尾まで気を遣って切り刻むことだ。生で食べるものだから、新鮮な獲物しか「チタタプ」には使えない。最初、和人である杉元はしぶしぶこの料理を試していたが、最後は逆に楽しみにしているようになった。外国人の私は『ゴールデンカムイ』のおかげで全然知らない文化に興味が湧いてきた。
アイヌ文化についての問題を先生に聞いてみたら、漫画に出てくる「オソマ」と「チタタプ」のアイヌ語はどんな意味を示すのか分かった。それだけでなく、「カムイ」とは一体何なのか、私も少し理解できた。「カムイ」というのは、大まかに火や水、太陽や月、動物や植物などのほか、地震や雷などの自然現象だ。例えば、火のカムイは人間の訴えや願いを聞き入れて、ほかのカムイに伝えてくれる。シマフクロウは、村を見守る役目があるカムイとされ、アイヌ人たちにとても尊敬されている。簡単に言うと、「カムイ」とは「神様」のことだ。この作品には、多くのアイヌ民族の生活や文化をリアルに描いている。これはこの物語の魅力点だと思う。
恥ずかしながら、私は『ゴールデンカムイ』を読む前に、日本は中国と違って単一民族だと思っていた。だが、日本にも少数民族と呼ばれている人たちがいるらしい。例えば、北海道に多く住む「アイヌ」の人々。私のようにアイヌ民族についてのことは全然知らなかったが、漫画などの文学作品を通じてそれに興味を持ち始めた人がたくさんいると考えている。
漫画は知識と文化を広める強力な手段の一つだといえよう。『ゴールデンカムイ』をきっかけに、アイヌ文化に興味が湧く人は、これからもますます増えていくだろう。