李春嬌(吉林師範大学博達学院) 

私は休日に東野圭吾の『白夜行』を読みました。読み終わった後、複雑な感情が込み上げてきました。まず、物語の魅力に圧倒されました。東野圭吾が巧みに巨大な網を作り、それぞれの人物の運命が繫がっています。細部に至るまで、まるで未来を予告しているかのようですが、予測が難しいです。そのミステリーと未知の交錯が、高い緊張感と好奇心を持って読み進めてくれます。桐原亮司と西本雪穂という二人のキャラクターは、特に痛々しいほど鮮明でした。彼らは幼い頃から暗い影のような重い秘密を背負って育ってきました。亮司の冷静さと深さ、雪穂の優雅さと冷たさは、厳しい現実に直面したときの保護色だったのです。彼らの愛、あるいは愛を超えた共生関係は、この本の中で最も感動的な感情の手がかりとなっていて、このような暗闇の中で彼らを支えているものは何なのだろうかと考えさせられます。『』白夜行」は箇人の運命についての小説だけでなく、人間性と社会についての深い反省だと思います。善良さと温かさ、利己的さと無関心など、人間の多面性が示されています。 

同時に、社会の不公平と残酷さを明らかにしています。特に、社会的弱者を無視し、傷つけています。亮司と雪穂の物語を通して、東野圭吾は私たちに暗い社会の真実を見せてくれます。正義や道徳、法について考えさせてくれます。『白夜行』は全体的に重苦しい雰囲気ですが、作者は愛と救済を完全に放棄したわけではありません。亮司と雪穂の間の、常軌を逸した愛は、悲劇的ではありますが、なんともいえない温かさと力強さを感じさせました。絶望の淵の中でも、愛の光が道を照らしてくれると信じさせてくれます。 

たとえ先が長くて未知であっても、心の中に愛と信念があれば、自分だけの明るい未来を見つけることができるという希望の存在も暗示しています。とにかく、『白夜行』は何度も繰り返し味わいたい作品です。ミステリーの魅力だけでなく、人間性や社会、愛について考える中で、深い示唆を与えてくれます。 

『白夜行』は推理小説の同時に、それも社会批評小説です。人間の本性の複雑さを深く掘り下げることによって、人間の本性が金と権力の前でいかに歪められ、疎外されるかを教えてくれました。桐原亮司とドン沢雪穂の物語は、その鮮烈な例です。互いの幸せのために奔走しながら、結局は深い闇へと落ちていきました。この悲劇的な運命は、人間の本質を深く考えさせます。この作品は永遠に私の心の中に刻まれて、私の読書の生涯の中で消すことができない風景になります。推理小説の魅力を感じさせてくれるだけでなく、人間の本質や愛、罪について深く理解させてくれます。これから先も、この作品は私に影響を与え続け、目の前の人生と今あるものをより大切にさせてくれると信じています。