『今際の国のアリス』を読んで
黄聞雨(福州外語外貿学院)
最初にこの漫画の名前を見た時、「アリス」という名に童話の感じがした。そして、この作品はおとぎ話なのだろうかと思った。しかし、それ以上に「今際の国」の今際という言葉に更に強い好奇心が湧いた。どうしてこの童話のような名前と結びついたのか、それが私の読書の興味を引き、読み始めた。
私は中学生の時から異世界探検と知闘の物語が大好きだ。これまでにも『デスノート』、『No game No live』など夢中になって読んだ作品もある。私はいつも自分を主人公に置き換えて、主人公のように考えて読んでいる。今回も自分が異世界探検をして、敵と闘わなければならないと想像して漫画を読んだ。実体験でなくても不思議な冒険を経験したような気になれるからだ。
この物語の主人公は何故か命を賭けた「国」に迷い込んでしまった。 彼は一緒に入った友達と協力して様々な「ゲーム」を攻略して生存の「チップ」を手に入れなければならなかった。 社会の暗い濃縮、殺戮、友情、生存というのがこの漫画のキーワードだ。彼らがこの「国」で生きていくには入国許可証が必要で、入国許可証が切れるとレーザーに照射されて死亡してしまう。主人公たちは過酷な試練を乗り越えながら、友情や愛情を深め、ついにサバイバルゲームの任務を果たし、現実生活に戻ることに成功した。
この漫画を読んで驚いたのは作者の思想力だ。トランプなど様々な種類のゲームを組み合わせたサバイバルゲームがあり、その中の知闘と心理ゲームは壮大なスケールで、私を虜にした。その中で心理ゲームを見ている私は度肝を抜かした。反転の連続で、多重反転は本当に私の気持ちを掴み、読んでいて熱い血が沸き立った。私は何度も同じシーンを読み返しても新鮮に感じたのは初めての経験だった。生老病死は誰もが経験しなければならないし、受け入れなければならないことだ。しかし、この漫画は読者に生死を交錯させながらゲームに持ち込むことができるので、人々の死に対する漠然とした恐怖の感覚を弱めさせてくれる。また読者をスリルのあるシナリオに没頭させてくれる。
自然と比べて、人間はとても小さい。人間がコントロールできることはあまりにも少なく、明日に事故が起きるかどうかは誰にもわからない。 しかし人間の可能性は無限大だ。私たちは少なくとも今を生きることができる。 主人公たちが命がけで帰ってきた現実の生活は、私たちが今普通に経験していること同じなのではないだろうか。 私たちは時間をむだにしてはならない。 主人公が現実の世界から離れた「国」でゲームをクリアしていったように自分も現実の世界で様々な困難を解決して行きたい。人生もゲームのようなものだ。技能を磨き、誠実で善良な心を維持しながら前進して行かなければならない。たとえ失敗しても落胆しないことも大切だ。