『河神』の後に『火神』が来襲、続く天津衛の妖怪退治伝奇

2018-05-22 11:20:35

 

 

天津の作家「天下覇唱」の小説を下敷きとしたテレビドラマ『河神』は、昨年夏、最も人気のあるネットドラマの一つとなった。最近、天下覇唱の新作『火神』が正式に磨鉄図書出版より発売され、天津衛(天津の古称)の「妖怪退治」の伝奇が再び続くこととなった。これと同時に、耐飛と天下覇唱が手を組んで『火神』のネットドラマ化を現在急ピッチで進めており、『河神』に続くサスペンス大作をつくりあげている。天下覇唱によると、天津衛「四神と三妖怪の戦い」シリーズで中国奇人連盟をつくりあげたいとのことである。

天下覇唱の描く天津衛四大伝奇人物とは、自らを姜子牙(太公望のこと)に例える崔道成、知らぬ宝物はないという占竜、奇怪な事件を幾度も解決した「河神」こと郭得友、凶悪犯や賊を捕える「火神」こと劉横順である。「火神」によって語られるのは、火神廟派出所の所長である劉横順が悪を懲らしめ逮捕し、勇敢に邪教組織「魔古道」と戦って、天津衛の奇妙で血なまぐさい事件を解決する物語である。

「火神」の劉横順は烈火の如き性格で、悪を憎み、その快足で賊を追い詰め、人々はみな彼のことを「下界に降りた火神で、足の下には風火輪がある」と言う。この本は『白骨塔の死体回収』『人間界で暗躍する妖狐』『陰陽路の夜間探索』などの一つひとつの短編により奇妙な出来事が展開され、こうしたタイトルは聞くだけで鳥肌が立つようだ。また、本書における「火神」の敵とは、天津の人々誰もが恐れる鑽天豹、鉄刹庵前に櫓を組み妖狐退治のまじないを行う「五闘聖姑」、ゾンビ兵を操ることができると言われている幽霊の将軍「混元老祖」などの極めて凶悪な悪者であり、人を震え上がらせると同時に、これを退治する過程を知りたいと思わせるものである。

生粋の天津っ子である天下覇唱は、『鬼吹灯』から『河神』そして『火神』までの作品の中に大量の伝統文化や風俗習慣を書き込んでいる。小説『火神』の中には詳細にかつての天津の風土や民俗が描き込まれ、さらには刑罰や飲食文化、都市景観、民間奇聞など多くの方面に及んでいる。天津の特色ある食べ物である「面茶(キビ粉などを糊状に似た食品)」をこよなく愛する天下覇唱は、「私が描くのは実在の人物や本当に起きた出来事ではありませんが、民国期の河口にある天津衛ほどこうした伝奇や奇人にふさわしい場所はありません。本の中の天津衛は私が天津を原型としてつくりあげた伝奇的な天津であり、『バットマン』のゴッサム・シティがシカゴをモデルにしているようなものです。実際のところ、私は中国の地域文化の四分の一しか書いていません。中国人はやはり伝統的なものを書くと、最も多くの人々に受け入れてもらうことができます」と語る。(編集L)

 

   

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