ここ1年ほど、北京の街中で「漢服」を着ている若い女性たちをよく見掛けます。平日の地下鉄、土日のショッピングモール、そして故宮などの観光地……。色鮮やかなヒラヒラしたすそを風になびかせ颯爽と歩く中国美女たちの姿はまさに眼福。
はじめは「何かイベントがあるのかな?」と思っていたのですが、実は漢服を日常使いする中国の若者が急増しているとのこと!
なぜ今、中国の若者たちの間で「漢服」がはやっているのか?その謎を解明すべく、日本人スタッフが漢服イベントに潜入してきました!
■そもそも「漢服」とは?
中国の民族衣装といえば、日本人がまず思い浮かべるのは深いスリットの入った「チャイナドレス」。
しかし実はこれ、もともと満州族の民族衣装なんです。中国の大部分を占める漢民族の伝統的な民族衣装こそが「漢服」。
しかし、「漢服」と一口に言ってもデザインは時代によってさまざま。さすが中国、漢服の歴史も深い!
「漢服」はどれなのか分かりますか?
いろんな種類があるので、きっと着てみたい漢服が見つかるはず。個人的イチオシは明朝の漢服!上品な感じです(笑)
■いざ漢服イベントへ
会場に着いてまず驚いたのは、会場内が色とりどりの漢服を着た人たちであふれかえっていたこと…!北京にこんなにも漢服を持っている人、漢服を好きな人たちがいたのか…!?とびっくり。
普段着で来てしまった私は逆に浮きました。
受付でスタンプラリーのシートをGET。何やら、各所でゲームをクリアして10個スタンプをもらうと抽選会に参加できるらしい。
ふむふむ、これは参加せねばなるまい……!と意気込んでチャレンジしたのですが……
■スタンプラリーで中国文化体験
抽選会目当てでチャレンジしてみたものの、これが難しかった…!
習字やジェスチャー、投げ槍(投壺)……はよかった。
壺に槍を投げるゲーム「投壺」は、唐代の宴で盛んに行われたらしい
難しかったのは、サイコロを振って出た目に書かれている漢字を使った漢詩を詠む、バラバラの漢字を並び替えて漢詩を作る……といった中国語にまつわるゲーム。
これは日本人(私)には無理〜〜〜!!!
「す、すみません、外国人なんです……」と恐る恐る言ってみたところ、「スマホで調べてもいいですよ」と言うスタッフさんの優しいお言葉……!
中国の詩歌を詠む遊び「飛花令」
お言葉に甘えて、遠慮なくスマホで調べさせていただきました。ありがとうございます。
隣で間髪入れずスラスラと漢詩を諳んじる中国の方たちを見て、ただただすごいなあ〜と思う私でした。
ハスの「ランタン」を作るのは、中国の中秋節の伝統らしい
楽しかったのは、折り紙でハスの「ランタン」を作るコーナー!
そもそもイベント当日は中秋節。これは中秋の明月に家族団欒で月餅を食べ、ランタンを灯して満月を見る日。
中国の折り紙初挑戦でしたが、友人と協力しながら四苦八苦でランタンを完成。
皆童心に返ったように夢中で楽しんでいました。
スタンプラリーを通して、視界に入ってくるきらびやかな漢服の美しさを堪能すると同時に、中国文化と中国語の奥深さも改めて感じられました。
■スタンプを10個集め、抽選会へ……!
さまざまな困難を乗り越え、10個集めたスタンプ。
「まだ1等も2等も出てないんです」と言う係のお姉さんの言葉に高まる期待。
よし………!
と思い切って引いたカプセル。中身は…
残念賞のクーポン券でした。残念無念……!
ちなみに1等や2等の商品はかんざしや中国茶器でした
しかしイベント開催中には、他にも琵琶の演奏や中国古典舞踊のパフォーマンスなどもあり、中国文化をじっくり味わうことができた一日になりました。
■なぜ今「漢服」なのか?
最大の謎、どうして今「漢服」がはやっているのか?
そこで、会場内の方たちに「漢服が好きな理由」を聞いてみました。
すると、どの人も口にしていたのが「中国文化博大精深」という言葉。「博大精深」とは、中国語の四字熟語で「歴史や文化が『奥深い』」こと。
私はこのイベントに参加する前、勝手に「コスプレ感覚なのかな?」と思っていました。
しかし、話を聞いてみると、皆「もともと中国の歴史が好きで」「中国の古典舞踊を勉強していて」……など、どの方たちも、もともと中国の歴史や文化に興味があり、その延長で漢服を好きになったとのことでした。
参加者全員で記念撮影
また、主催者の虎斑さんに漢服についてお話を伺ったところ、
「中国が世界的な力を持つにつれ、私たちの漢民族としての自信も高まり、過去の栄光と文明を取り戻そうという動きが出てきました。そのため、漢服と伝統文化の復興は一つの大きな流れであり、これは必然的な動きなのです」とおっしゃっていました。
今回イベントに参加してみて、今の中国の若い人たちの間で、中国や漢民族の歴史、文化に興味を持ち、それをまた盛り上げていこう!というブームが起こっていることを実感しました。
漢服は日本の着物や浴衣と違い、難しい着付けは必要ありません。
また、日本は成人式や花火大会など、何か特別な日に着物を着ますが、漢服好きな参加者の方々いわく、漢服は普段着としても着ているそうです。
それくらい着方も簡単ですし、着心地もとっても楽です。
中国旅行に行かれる際など、機会があればぜひ漢服を着て故宮観光などをしてみてはいかがでしょうか?(文=中島優奈 写真=中島優奈、郭然)
人民中国インターネット版 2019年9月19日
チャイナネット | 北京週報 | 中国画報 | 人民網日本語版 | 新華網日本語版 | 中国国際放送局 |
駐日本中国大使館 | 日中友好協会 | 東方書店 | 全国翻訳専門資格レベル試験ネット | ||
CCTV大富 | Searchina | 大連中日文化交流協会 | 中国湖南 | 中国山東網 | 故宮博物院 |
東方ネット | 沪江日語 | 中日之窓 | 博看网 |
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号 TEL: (010)6831-3990 FAX: (010)6831-3850
京ICP備14043293号-1