「悟空杯」中日韓青少年漫画コンテスト2020がスタート 自国文化の魅力を漫画化
王焱=文
漫画芸術は中日韓の若者に非常に人気が高く、3カ国の青少年文化交流の重要な手段の一つとなっている。7月22日午後、「悟空杯」中日韓青少年漫画コンテスト2020の開幕式が中国外文局で行われた。中国外文局の高岸明副局長、外交部アジア司(局に相当)の薛剣副司長、人民中国雑誌社の王衆一総編集長、在中国日本国大使館の藤岡謙一参事官、在中国韓国大使館の金万洙参事官ら中日韓の代表が共にスタートを宣言した。
コンテストスタートのボタンを押す高副局長(中央)ら(写真・王浩/人民中国)
3カ国首脳会談が発端
李克強国務院総理は昨年12月に行われた第8回中日韓首脳会談において、「中国は来年第1回『悟空杯』中日韓青少年漫画コンテストを開催する予定で、3カ国の芸術交流を促進し、青少年間の友好を増進する」と言及した。このコンテストは、中日韓の関係各方面が李総理の呼び掛けに積極的に応え、中日韓首脳会談のコンセンサス精神を実行したものだ。中国外文局が主催し、人民中国雑誌社が運営を担当し、中国のトップクラスのアニメ・漫画サイトの嗶哩嗶哩(ビリビリ)、日本の漫画アニメ業界の大手であるKADOKAWAなどの著名企業が実施団体として名を連ね、さらに韓国漫画映像振興院などの政府系の文化振興機関も参加している。
高岸明副局長は、「中国伝統文学の古典的イメージとして、勇敢で機知に富み、型にとらわれない孫悟空は、現実の流行要素に変身し、中日韓3カ国のアニメ・漫画作品の中で活躍しています。コンテスト参加者が孫悟空からインスピレーションを得て、3カ国の文化的魅力を表現し、東アジア文明の精神を示す優れた作品を創作してくれることを願っています。われわれは漫画を愛する3カ国の青少年が夢を叶える舞台を提供することに努め、3カ国の人文交流・協力という素晴らしい未来を共につくり上げていきたいです」とあいさつを述べた。
薛剣副司長は、中日韓の青年たちにコンテストの中で友情を培い、3カ国の友好協力の物語を描き出してほしいと期待を込めた。
藤岡謙一参事官と金万洙参事官は期せずして同じく、「悟空杯」中日韓青少年漫画コンテストの開催により、新型コロナウイルスのもとで中日韓3カ国の文化交流が一時停止を余儀なくされている現状が打破されることを願っていると語った。
コンテストのマスコットキャラクター「悟空」をお披露目する人民中国雑誌社の王漢平副社長(手前右)ら(写真・王浩/人民中国)
漫画で人々を鼓舞
新型コロナウイルス感染症の影響で、会場に来ることはできなかったが、日韓両国の協賛企業の代表数人がオンラインでこの開幕式に参加した。手塚プロダクションの松谷孝征社長はオンラインによるあいさつで、日本漫画の巨匠である手塚治虫と中国アニメ界の巨匠万籟鳴の友情を回顧し、手塚治虫の作品である『ぼくの孫悟空』という作品を披露した。彼は、「手塚治虫先生は生前ずっと国際交流をとても重視しており、漫画・アニメにより互いの友情を深めることこそ、平和への道であると強調されていました」と語った。
感染症が世界にまん延し、日常生活と社会には共に大きな変化が起きている。韓国漫画映像振興院の申琮澈院長は、「韓国・中国・日本は世界の文化芸術をけん引する中心的国家です。今、この難局を共に克服するに当たり、今回のコンテストにおいて、3カ国の漫画人材が多くの優れた作品を創作し、孫悟空のように、日常生活の中でたまった疲れを癒やし、希望と勇気と知恵をもたらしてくれることを期待しています」と語った。
KADOKAWAグローバルコミック部の梅澤淳部長もまた、「漫画は生活必需品ではありませんが、われわれの心を満たし、生活を楽しくしてくれるものです。コロナが猛威を振るう今、みんなが良い漫画作品を創り上げ、互いに励まし合うことをわれわれはより必要としています」と語った。
会場では、世界十数カ国の漫画家から送られてきたコロナとの闘いをテーマにした漫画作品のほか、中日韓の3人の若手漫画家に開幕式のために描いてもらった「共にコロナと闘う」をテーマとした漫画作品が展示された。王総編集長は、「このコンテストは原則としてテーマは自由ですが、今年はコロナ情勢を考慮に入れ、『互いに助け合う近所の情』という特別テーマを設け、3カ国の参加者が自らの投稿作品により、中日韓3カ国が共にコロナに対抗する近隣の互助精神を世界に示してほしいと思っています」と紹介した。
開幕式では中日韓3人の若手漫画家による「共にコロナと闘う」をテーマにした作品を展示
浅野龍哉さん(日本)
cookieさん(中国)
金栄煥さん(韓国)
若者の自由な創作に期待
このコンテストは中日韓3カ国の漫画分野における代表的な国際一流コンテスト・人文交流活動を目指しており、3カ国の若い漫画家・愛好者に向け、中日韓の風土・人情、歴史・伝説、友好交流、現代生活などをテーマに、3カ国の文化的魅力を表現したオリジナル漫画作品を募集するものだ。コンテストには18歳以上と18歳未満という二つの年齢別部門が設けられ、応募作品は中日韓の審査委員会が共同で審査する。「悟空賞」3人、「小悟空賞」3人が選出され、創作タイプ別、年齢別に若干の賞が設けられる予定だ。