5月28日、雲南省玉渓市峨山県内で撮影されたゾウの群れ(ドローンで撮影)
もともと雲南省西双版納(シーサンパンナ)に生息していた野生のアジアゾウの群れが、このほど北への移動を開始した。普洱市墨江県、玉渓市の元江県と紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州石屏県を通過した後、玉渓市峨山県に到着し、28日も同県にとどまって餌を探していた。ゾウたちは現在、昆明市晋寧区から50キロメートル足らずの場所にいて、同市の市街地からの距離も約100キロメートルしかない。新華社が伝えた。
国の一級重点保護対象の野生動物であり、生物多様性の象徴種のアジアゾウが北へ移動するのは珍しく、社会で大きな関心を呼んでいる。このゾウの移動による死傷者はまだいない。関係部門と地方政府はゾウの移動による公衆の安全トラブルを全力で防ぐために措置を打ち出した。
雲南省林業・草原局の説明によると、4月16日、もともと西双版納国家級自然保護区に生息していたアジアゾウ17頭の群れが、普洱市墨江県を通って玉渓市の元江県へ移動した。同24日には2頭が墨江県に戻ったが、他の15頭は引き続き北へ向かい、途中で紅河自治州石屏県を通り、このほど玉渓市峨山県に到着した。5月27日夜、群れは一度は県の中心エリアに入ったが、28日午後には同エリア北部の峨峰山近くの山林の中にいることが確認されたという。
専門家の分析と研究によると、このゾウの群れのいる場所と最近の動きの特徴を踏まえると、ゾウたちは引き続き東北方向へ移動すると見られ、北へのルート沿線の安全予防対策を引き続きしっかり行なう必要があるという。
アジアゾウは中国では主に雲南省西双版納、普洱、臨滄の3州市に分布し、頭数はわずか300頭。アジアゾウはアジアに現存する陸生の野生動物の中で最も大きく、攻撃性が高い。専門家は関係エリアの人々に対し、指揮に従ってアジアゾウとの正面衝突を避け、人とゾウの安全を確保するよう呼びかけている。
「人民網日本語版」2021年5月29日
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