お化け(妖怪)

2018-08-28 11:17:58

=福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

夏と言えば怪談(かいだん)のシーズン。墓地に「肝試し(きもだめし)」に行くとか、背筋がゾクッとするような怖い話を聞くとかして涼味(りょうみ)を求めるのは、暑い夏の夜の定番行事だが、それに欠くことのできない主人公が「お化け」である。

日本的夏季是各类灵异故事的“狂欢节”。人们会去墓地参加试胆大会,或是听些令人毛骨悚然的鬼故事来寻求“凉意”——这些都是酷暑之夜的保留节目。它们有一个永恒不变的主人公,那就是“妖怪”。

「お化け」は「化け物ばけもの)」とも「妖怪」ともいい、本来あるべき姿から姿を変えた「怪物」で、あらゆる物がすべてお化けになりうる。「化け猫」から「唐傘(からかさ)お化け」までさまざまなものがいるが、中でも一番恐ろしいのが、人間の「お化け」、つまり「幽霊」だ。

在日本,妖怪也叫“鬼怪”“妖精”,指的是一种改变了自己原本姿态的“怪物”。所有东西都能够成为妖怪,其种类也很多,从“猫妖”到“唐伞小僧”一应俱全。在这些妖怪中,最可怕的要属人类幻化成的妖怪了,也就是“幽灵”。

日本の幽霊には典型的な姿というものがあって、それは、足はなく、白い着物を着て、白い三角形の紙を額に当てた姿で、手を胸の前に力なく垂らし、「恨めしや~」と言いながら、ドロンドロンというおどろおどろしい太鼓の音とヒューヒューという不気味ぶきみな笛の音とともに現れ、宙を漂うというもの。実はこの幽霊の姿、あの世に旅立つための死に装束(しょうぞく)であり、恨みを残して死んだ者が死後に着せられた衣装のままこの世を徘徊しているのが、幽霊の正体だ。さらに言えば「著名」な幽霊の多くが女性であり、それは、かつては自由の少なかった女性が恨みをのんで死ぬことが多かったからだと考えられる。

日本幽灵有这样一个经典形象:无足,白衣,额头上有张三角形白纸,双手耷拉着垂在胸前。它们口中念念有词,说着“我恨你”之类的话以一种漂浮的姿态出现,出现的同时往往还伴随着“咚咚”的恐怖鼓声和“咻咻”的瘆人笛声。其实,幽灵的白衣姿态就是源自于人去世时穿的丧服;如果死者含恨而死,灵魂就不能往生,而是继续以白衣姿态徘徊于尘世,这便是幽灵。值得一提的是,日本著名的幽灵中女性居多。世人普遍认为,这是由于过去的女性缺少自由,含恨而死的情况较多的缘故

歴史を振り返ってみると、古代の人々は、恨みを抱えて死んでいった人々の「怨霊(おんりょう)」が祟るたたることであらゆる災厄が起きると考え、こうした人々を神として祀って、怨霊を鎮めようとした。天満天神てんまんてんじんとして祀られている菅原道真(すがわらのみちざね)がその典型的な例だろう。さらに、哲学者の梅原猛は『隠された十字架』で、法隆寺が聖徳太子(しょうとくたいし)の怨霊を鎮めるためのものであったという新説を唱え、一大センセーションを巻き起こした。また、伝統芸能の能にいたっては、主人公のほとんどが幽霊といってよいほどで、日本人と「幽霊」とは、切っても切れない関係にあると言っていい。

回顾历史,古人觉得,所有灾祸的发生都是抱恨而终的死者的怨灵在作祟。因此,人们将这些死者奉为神灵祭祀,希望能通过这种方式来为其安魂。日本人所祭祀的天满天神——菅原道真就是一个典型的例子。日本的哲学家梅原猛先生在其著作《被隐藏的十字架》中也提出了这样一个震惊世人的新观点:法隆寺是用来为圣德太子安魂的。而且,即使是在日本传统艺术“能”中,也常常能看到幽灵作为主人公出现的身影。不难看出,“幽灵”和日本人有着密不可分的关系。

もうお化けの住む場所もなくなったと思われる現代でも、「オバケのQ太郎」や「ゲゲゲの鬼太郎」などのお化けアニメが人気を博し、「口裂け女」とかいう現代版お化けの噂がまことしやかにささやかれ、また、心霊スポット(幽霊が出るところ)がネットで噂される。日本の闇にはまだ多くのお化けがひそんでいるようだ。

即使是在妖怪已经被认为不复存在的当今社会,《小鬼Q太郎》《咯咯咯的鬼太郎》等妖怪动画仍然风靡一时,“裂口女”这类现代版妖怪故事,经过口口相传成为了都市传说,“灵异地点(幽灵出现的地方)”的说法也席卷网络。这样看来,在日本某些不为人知的地方或许还潜藏着许多妖怪吧。

 


 
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