スズメの涙(微乎其微)

2019-01-09 16:03:00

 =福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

都会に巣をつくる場所が減ったために、ここ10年ほどで生息数が半減したといわれるスズメ。それでも毎日のように目にする身近な鳥だ。中国では「スズメは小さくとも五臓六腑揃っている」という言い方があるそうだが、日本でスズメがつく言葉といえば、「スズメの涙」だろう。「スズメの涙ほどの給料」とは、「給料が少ない」たとえで、多くの人が身につまされる注1言葉だ。

由于在都市中能够筑巢的场所减少了,据称,近10年来,麻雀的数量已经减半。尽管如此,麻雀依然是日本人身边常见的鸟类,几乎每天都能看到。中国有句成语叫“麻雀虽小,五脏俱全”,而在日本,有关麻雀的惯用语当属“スズメの涙(微乎其微)”。比如,“スズメの涙ほどの給料(工资数额好像麻雀眼泪)”,比喻“工资少得可怜”,这是一句让很多日本人感同身受的话。

スズメといえば、小林一茶の名句「雀(すずめ)の子、そこのけそこのけ御馬(おうま)が通る」を思い出す。この俳句は、「雀の子よ、御馬さまが通りますよ。そこをどきなさい」と言っているに過ぎない。しかし、スズメの子がケガをしないようにという温かな愛情が感じられ、舞台はのどかな農村なのに、「そこのけ」や「御馬」という大仰(おおぎょう)な言葉遣いが出て来るという面白さがあって、さらに、「そこのけ」の繰り返しなど、耳に心地よい柔らかな音も大切な要素となっている。

提到麻雀,会让人想起俳人小林一茶的名句“小麻雀,靠边儿站靠边儿站,御马要过来”。尽管内容很简单,无非是提醒“小麻雀,御马要过来啦,快躲开”,但能让人从中感受到希望小麻雀不要受伤的温暖的关爱之情,虽然这首俳句诞生的背景是恬静的乡村,“靠边儿站”“御马”这种夸张的措辞,却表现出一种小题大做的幽默,而“靠边儿站”的重复使用,也成为这首俳句的一大亮点,读起来有一种欢快柔美的韵律。

その大きさと真っ黒な色とで、あんまりかわいいとは言えないカラスは、そのちょっと不気味なイメージとはうらはらに、古代神話では吉兆を示す動物であり、カラスを使った表現もさほど悪い意味のものはない。「カラスの濡れ羽色」は、美しい黒髪のたとえとしてよく使われる。「カラスの行水」は、風呂に入る時間が短く、あっという間に上がってしまう人のことだ。また、「カラスと一緒に帰りましょ」という歌詞のある『夕焼け小焼け』は誰もが知っている童謡で、カラスの鳴き声は夕方のイメージとセットになっている。

而身形偏大、色漆黑,很与可儿的乌鸦,尽管外形令人感毛骨悚然,但其在古代神中却是一种预示吉兆的物,与之相也并不是那晦气。比如“カラスの濡れ羽色(乌鸦沾水的羽毛)”,经常用来比喻头发乌黑发亮。“カラスの行水(乌鸦点水)”,指那些洗澡时间很短,瞬间就洗完的人。此外,拥有“和乌鸦一起回家吧”这句歌词的《夕焼け小焼け(晚霞渐淡)》是尽人皆知的童谣,这使得乌鸦的啼叫声和傍晚的景色相映成趣。

身近な鳥の横綱ともいえるハトに関しては、「鳩が豆鉄砲(まめでっぽう)を食ったよう」という言葉がある。豆鉄砲は豆を玉にして撃つ子どものおもちゃで、それを撃ちかけられてびっくりしているハトのように、突然の出来事にきょとんとしている人の様子を示したユーモラスな表現だ。

与被誉为常见鸟类之冠的鸽子相关的惯用语,则有“鳩が豆鉄砲(まめでっぽう)を食ったよう(像鸽子被竹枪击中一样)”。竹枪是一种将豆子作为子弹的小孩儿玩具。这是一种幽默的表达,比喻人们面对突发事件时惊慌失措的表情。

鳥に関する私が一番好きな言葉は、「目白押しめじろおし)」で、メジロが木の枝などに隙間なくびっしりと止まっている姿から、人がたくさんいる、あるいは物事が集中してあることを意味する注2。この言葉を聞くと、羽をふくらませた、まんまるのメジロが隙間なくびっしり並んでいる光景を思い浮かべ(押されてころげ落ちそうになっている奴もいたりして)、モフモフ好き注3の私としてはたまらなくなり、つい顔がゆるんでしまうのである。

在与鸟类相关的词汇中,我最喜欢的词是“目白押し秀眼鸟一个紧挨着一个”,用秀眼鸟停在树枝上的拥挤姿态来比喻人很多,或者事务很集中。一听到这个词,就会让人联想到羽毛蓬松,身形浑圆的秀眼鸟密密麻麻排成一队的样子(好像有的鸟险些就会被挤下去一样),这对于喜欢毛绒绒感觉的我来说真是毫无抵抗力,心情一下子就放松了。

注释

注1:「身につまされる」とは、他人の不幸などが我が事のように感じられるという意味の言葉

「身につまされる」表示他人的不幸等好像发生在自己身上一样。

注2:例えば、「今週はイベントが目白押しだ(今週は次から次へとイベントがある)」などのように使う

举例而言,可以说“这周的日程排得满满的(这周的活动一个接着一个)”。

注3:「モフモフ」はネコやウサギ、小鳥など、動物の柔らかな羽や毛皮の感触を表す言葉で、こういう羽や毛皮を持つ動物を見るとつい萌えてしまう人が最近多いらしい

「モフモフ」指小猫、兔子、小鸟等动物的毛皮或羽毛给人一种柔软的触感。近来,似乎有不少人单是看到有这种羽毛或毛皮的动物就会瞬间被萌化。

 

 

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