相撲(相扑)

2019-04-26 08:22:51

                                                                                                                                                            /福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

相撲(すもう)は力比べのための日本伝統のスポーツで、日本最古の歴史書である古事記(712)や日本書紀(720)に早くもその記述が見られる。もともと相撲は農作物の収穫を占う儀式として、神社の境内などで行われてきたものであり、後に宮廷の行事とされた。

相扑是一项比拼力量的日本传统体育项目,在日本最古老的历史书籍《古事记》(712)和《日本书纪》(720)中早有相关记载。相扑原本在神社的院落中进行,是一种占卜农作物收成的仪式,后来发展成为宫廷观赏活动。

 

江戸時代(16031868)にはプロの力士による相撲興行が行われるなど庶民の娯楽となり、今日の大相撲の基礎が確立された。土俵入り、番付表、化粧廻し、髷(まげ)、着物など、今日では時代錯誤的ともいえる服装や慣習は、江戸時代のものがそのまま守られたためで、伝統の象徴ともなっている。

江户时代(16031868),相扑通过职业力士进行的表演活动等成为百姓的娱乐项目,也由此奠定了今天专业相扑比赛的基础。上场仪式、排名表、刺绣兜裆、发髻、礼服等,这些在今天看来有时空穿越感的服装和习俗,由于原汁原味保留了江户特色,因此也被视为传统的象征。

 

また、現在よく使われている言葉の中にも、相撲由来の言葉が数多くある。以下の言葉はすべて相撲で使われていた言葉が一般化したものである。

在现在的常用词汇中,也有很多来源于相扑术语。下面列举的这些词汇,就都是相扑术语在日常生活中被广泛应用的范例。

禁じ手(きんじて):反則技のことで、将棋や囲碁などでも禁止事項を指すのに使われる。

禁止动作:即犯规动作,指下日本象棋或围棋时的禁忌事项。

軍配ぐんばい)が上がる:勝負が決すること

举起裁判用的指挥扇:表示取胜、胜出。

 

勇み足(いさみあし)注1:勢いに乗り過ぎて、不注意な失敗をしてしまうこと

(把对方推到场地边缘,眼看着胜利在望,但因用力过猛)自己的脚先迈出场地(结果输了):比喻用力过猛,因疏忽大意而失败。

押しの一手(おしのいって)、押しが強い、押しが利く2:「押し」とは文字通り正面から相手を力で押していくことで、力技(ちからわざ)で物事を進めることを指す

坚持到底、强势、有威信:从字面上来看,「押し」即从正面用力推对方,引申为凭实力推进事物发展。

肩透かしかたすかし3:相手の勢いを上手くそらして、相手に失敗させること。「肩透かしを食らう」は意気込んでやったことが、空回りからまわり)してしまったときなどに使う

躲闪:指巧妙地躲开对方的攻势,让对方失手。“挨了躲闪”比喻兴致勃勃地做了,结果空忙一场。

 

仕切り直し(しきりなおし)4:勝負事や仕事などを最初からやり直すこと

重新摆架势:指比赛或工作等重新开始。

序の口(じょのくち)5:大相撲の番付の最下位で、ようやく相撲を取り始めた力士たちの番付のことで、転じて「まだまだ始まったばかり」という意味。

指相扑的最低等级(或最低等级的力士),因为好不容易进入相扑的力士排名,衍生为“刚刚开始”“序幕”之意。

待ったなし6:もう猶予が残っていないこと

不许暂停:即已经没时间犹豫了,刻不容缓。

大一番おおいちばん:優勝を左右するような大事な取り組みのこと

最重要的一场比赛:即决定胜负的最关键的比赛。

人のふんどしで相撲をとる7:他人のものを利用したり、他人に便乗したりして、利益を得ること

穿别人的兜裆布摔跤:即借人之物,图己便利。

 

また、相撲を取るための競技場を土俵(どひょう)というが、「同じ土俵に上がる」で、議論を共有する、同等の立場で臨むなどの意味になり、「一人相撲を取る」だと、一人で気負いこんで事を行い、またそれが徒労に終わることを指す。土俵際(ぎわ)は、もう後がない極限状況のことで、「土俵際で踏ん張る」とは、ギリギリの状況のまま頑張ることを指す。

此外,相扑的比赛场地叫做相扑台,而 “走上同一个相扑台”,可以表示共同讨论,或者身处相同环境、同等身份等涵义。如果是 “一个人摔跤”,即指仅凭一个人干劲冲天,终究是徒劳。“比赛场的边界”比喻没有退路的紧要关头。“在比赛场边上用力站住”,指最后关头坚持到底。

相撲はごくごく最近まで、日本人にとって見るものである以上に、実際にやって楽しむものであり、極めて身近な娯楽であった。地面があって、2人の人間さえいれば、相撲をとることができ、学校でもお祭りでも相撲大会がしばしば行われ、相撲が強い子はヒーローであった。今ではめったに相撲をとることはなくなったが、相撲由来の言葉の多さが、かつて相撲がいかに身近なものであったのかを、われわれに教えてくれる。

相扑是在最近才成为观赏项目的,从前它就是一项人们日常消遣的娱乐活动。只要有场地,即便两个人也可以来一场相扑较量,在学校里和举行各种民间活动时,也经常有相扑比赛,相扑厉害的孩子被视为勇士。虽然如今人们很少在日常比赛相扑了,但从有如此多与相扑相关的词汇来看,我们可以认识到相扑曾经是日本人日常生活的一部分。

 

例文

注1

あいつの勇み足のおかげで、商談がパアになっちゃった。

都怪那家伙操之过急,谈判泡汤了。

2

押しの一手で勝つ

凭借坚持到底这一招取胜。

女の子は押しの強い男性に弱い。

女孩对强势的男性毫无抵抗力。

彼は押しがきかない。

他压服不住人。

3

今日こそは絶対に先生の質問に答えるぞ!って意気込んでいたのに、手を挙げたら、他の人が当てられて肩透かしを食ったんだよ。

热血沸腾地想着今天一定要回答老师的提问,结果举了手,老师却点了别人的名,空欢喜一场!

4

さて……、これで五分、仕切り直しだろう?

那么……这就等于双方打了个平手,得重开一局了?

5

これはまだ序の口だ。

这仅仅是开始

6

待ったなしの勝負

刻不容缓的决胜。

7

いつまでも人のふんどしで相撲とってないで、めろよ

不要总是做“借花献佛”的事!

 

 

関連文章
日中辞典: