チョコまみれ(沾满巧克力)

2022-05-18 09:40:25

/福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

  

「チョコまみれ」という名前のチョコレート菓子が、今日本で話題となっている。それに続いて「チョコだらけ」というお菓子も登場したようだ。「チョコまみれ」も「チョコだらけ」も、チョコレートがたっぷりであることを示す名前だ。しかし、日本語ではふつう、「チョコだらけ」はまだしも、「チョコまみれ」と言うことはまずない。「だらけ」も「まみれ」も、「~がいっぱいある」という意味だが、それがいっぱいあることに対し、語り手があまりいい感情を抱いていないときに使うことが多いからだ。例えば「男だらけ」と言えば、「男ばかりでむさ苦しくて嫌だ」という語り手の気持ちが垣間見える。 

 名为「チョコまみれ」的巧克力点心,如今成为日本社会的热议话题。似乎之后,又出现了一种名为「チョコだらけ」的点心。无论「チョコまみれ」还是「チョコだらけ」都表示点心中巧克力用量很足的意思。可是,在日语中,「チョコだらけ」还说得过去,却没有「チョコまみれ」这种说法。因为虽然「だらけ」「まみれ」都有“充足”的意思,但相比“充足”这个含义本身,多在说话人心情不太好的时候使用。比如说「男だらけ」就能感受到说话人的不愉快:“全都是男人,又脏又乱好烦啊。” 

  

「まみれ」という表現は「{まみ}塗れる」に由来し、至るところにそれがくっついていることを示している。「泥まみれになった」のように使い、「泥だらけ」という言葉とほとんど同じ意味ではあるが、「まみれ」のほうが、「だらけ」より、体にねっとりとまとわりつく感覚がある。「血まみれ」「油まみれ」「汗まみれ」「ホコリまみれ」など、拭っても拭ってもなかなかとれないような、汚く、不快と感じるものだけが、「まみれ」と結びつく。しまいには、「借金まみれ」などのように、実際にはまとわりついたりはしない抽象的なものまでもが、「まみれ」と結びつくようになった。 

「まみれ」这个词来源于「{まみ}塗れる」(沾满),表示粘得到处都是。比如可以说「泥まみれになった」弄得浑身是泥),虽然「泥だらけ」也表示几乎同样的含义,但「まみれ」「だらけ」更突出一种粘粘糊糊沾在身上的感觉。就像「血まみれ」(浑身是血)、「油まみれ」(浑身是油)、「汗まみれ」(浑身是汗)、「ホコリまみれ」(浑身是灰尘)这些词,「まみれ」的叙述对象,都是那些脏到怎么擦也擦不掉,感觉很不舒服的污渍。最后,就连「借金まみれ」(债务缠身=负债累累)中“借金”(负债)等实际上并不会粘在身上的抽象事物,也和「まみれ」组合在一起使用了 

  

「チョコ」もたしかに茶色で、拭ってもなかなか拭いきれなそうなドロっとした液体ではあるが、不快であるかというと、それなら大歓迎!という人も多いだろう。おいしい食べ物である「チョコ」が、「だらけ」や「まみれ」という言葉と結びつくのは、本来ならあり得ないことで、逆にそれがゆえに目新しさがあり、チョコの多さを強調するようなインパクトあるネーミングとなったのだろう。 

“巧克力”确实褐色属于怎么擦也不太容易擦干净的粘稠液体,但要说是否会引起不快,恐怕很多人会说:(沾上巧克力)那可太好啦!作为美味食品的“巧克力”,原本是不可能和「だらけ」「まみれ」这些词一起使用的,但正因为如此,这种组合给人耳目一新的感觉,成为强调巧克力很多,具有画面冲击力的名称。 

  

「まみれ」や「だらけ」が、あまりいい意味に使われないのに対し、いい意味にも悪い意味にも使える言葉に「ずくめ」や「ばかり」がある。「ずくめ(尽くめ)」も「ばかり」も、意味はほぼ同じで、それ以外のものがないことを指している。例えば「黒ずくめ」と言えば黒一色であることを指し、いい事ずくめといえば、いい事ばかり続くことを示す。 

 「まみれ」「だらけ」不太用于褒义,与之相对,「ずくめ」「ばかり」即可以用作褒义也可以用作贬义。二者意思相近,都指除此之外没有其他东西。比如「黒ずくめ」指的是全黑;いい事ずくめ」表示好事连连。 

  

「ずくめ」に似た言葉に「づくし(尽くし)」という言葉もあるが、ずくめが「それ以外の状態が見られないこと」という意味なのに対し、「づくし」は同類に属するものをすべて、あるいはできるだけ並べあげることを指す言葉となる。「タケノコづくし」や「カニづくし」など、一つの素材を様々な料理法でとことん味わうときに使われる。 

「ずくめ」(清一色)的近义词有「づくし(尽くし)」「ずくめ」表达“看不到除此以外的状态”,与之相对,「づくし」指列举所有或者大部分同类物品。比如「タケノコづくし」竹笋宴「カニづくし」(螃蟹),用来指通过各种烹饪手法充分享用一种食材。 

  

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