海蠣煎(カキのお好み焼き)
カキとニラのおいしい時期が重なっていることから「カキが太ればニラも太る」と福建省では言われます。その二つを結び付けた海蠣煎は福建省が誇る最高の美食。さつまいもでんぷんのもちもち食感とほとばしるカキのエキスが絶妙。たっぷり刻み込まれた香味野菜も大事な脇役です。
材料(2人分)
カキ(小さめのもの) 200g
さつまいもでんぷん 大さじ4
葉ニンニク(もしくはニラ) 4~5本
卵 2個
セロリ 約1/2本
塩、油 各適量
細ネギ 少々
つくり方
①水を張ったボウルにカキを入れ、塩を加えて軽くもみ洗いし、ぬめりが取れたら流水でよく洗い、水気を切る。セロリは6㌢くらいに切ってから葉っぱも一緒に細切り、葉ニンニク(もしくはニラ)とネギも5~6㌢長さに切る(ニラは短めに)。
②カキに切った野菜類と醤油、さつまいもでんぷんを入れ、水で濃度を調整しながら手で均一に混ぜる。
③フライパンに油を熱して②を入れ、軽く塩をして弱火でじっくりと焼く。
④カキにほぼ火が通ったら溶き卵を縁からゆっくりと流し入れ、フライパンを回して溶き卵を全体に行き渡らせる。
⑤真ん中の卵がまだ少しだけ固まりきらないうちに火を止め、皿に盛る。
故郷の福建省泉州では蟳埔村のカキが特に有名で、わざわざ車を飛ばして買いに行くほどの美味とされていました。でも小さい頃の私には、海蠣煎のおいしさが理解できませんでした。たまに口に当たる砂や殻、面倒な下処理の割に身が小さい……だったらホタテやシャコのように、簡単に料理ができておいしい海鮮のほうがいいじゃないか、と。しかし北京生活を続けるうちにあの味が強烈によみがえり、今では自分で作るほどの大好物です。生臭みが出るので、卵を入れてからはあまり動かさないこと、カキをふわりと柔らかく仕上げるため、卵に火を通し過ぎないこと。この2点は必ず押さえてください。