立春
二十四節気は中国の世界無形文化遺産で、東アジア諸国と共有されている。日本の大家による節気に関する俳句の中国語訳コーナーは、開始から数年、読者の皆さんの好評を得てきた。昨年からは、中国の文人による節気を賛美した詩歌も追加し、東方諸国の詩歌の「和して同ぜず」の美感を体感できるようにした。さらに、中国の著名な篆刻家・書道家の駱芃芃さんを迎え、手書きの俳句と漢詩に加え、彼女の節気に関する篆刻作品も掲載することとした。「俳、詩、書、印」の調和の美を共に鑑賞しよう。
王丹丹=イラスト
立春 二月四日
{りっ/しゅん}立春の{うみ}海{れい/ろう}玲瓏と{あ}明けそめし
(道川虹洋)(駱芃芃 書)
立春好景观
玲珑大海剔透蓝
曙色染东天
(王衆一 訳)
立春大海玲珑现
晓色微明欲曙天
(王岩 訳)
{なん}何といふ{てら}寺とは{し}知らず{うめ}梅の{はな}花
(正岡子規)(駱芃芃 書)
途经古寺庙
浑然不知其名号
但见春梅俏
(王衆一 訳)
不知寺院何名号
馥郁梅花朵朵开
(王岩 訳)
漢詩
{りっしゅん}立春
{はく・ぎょく・せん}白玉蟾({なんそう}南宋)
{とうふう}東風{ふ}吹き{さん}散ずれば、{うめ}梅の{こずえ}梢は{ゆき}雪
{いち・や}一夜にして、{てん・か}天下の{はる}春を{ばんかい}挽回す
{ここ}此{よ}従り{ようしゅん}陽春、{まさ}応に{あし}脚あるべく
{ひゃっ・か}百花の{ふう・き}富貴にして、{くさ}草の{せいしん}精神