清明
二十四節気は中国の世界無形文化遺産で、東アジア諸国と共有されている。日本の大家による節気に関する俳句の中国語訳コーナーは、開始から数年、読者の皆さんの好評を得てきた。昨年からは、中国の文人による節気を賛美した詩歌も追加し、東方諸国の詩歌の「和して同ぜず」の美感を体感できるようにした。さらに、中国の著名な篆刻家・書道家の駱芃芃さんを迎え、手書きの俳句と漢詩に加え、彼女の節気に関する篆刻作品も掲載することとした。「俳、詩、書、印」の調和の美を共に鑑賞しよう。
王丹丹=イラスト
清明 四月五日
{しゃん・はい}上海を{で}出て{せい・めい}清明の{の}野に{あそ}遊ぶ
(三宅清三郎)(駱芃芃 書)
天好逢清明
携友出了上海城
郊外去踏青
(王衆一 訳)
上海市中今别去
清明野上自逍遥
(王岩 訳)
{やま・ぶき}山吹の{した}下に{ちい}小さき{ながれ}流かな
(羅蘇山人)(駱芃芃 書)
山吹花正黄
花下小溪真欢畅
一路奔流忙
(王衆一 訳)
一片棣棠花下出
细流汩汩绕芳丛
(王岩 訳)
漢詩
《清明》
(唐)杜牧
清明时节雨纷纷
路上行人欲断魂
借问酒家何处有
牧童遥指杏花村
{せいめい}清明
{とぼく}杜牧 ({とう}唐)
{せい・めい}清明の{じ・せつ}時節{あめ}雨{ふん・ぷん}紛々
{ろ・じょう}路上の{こう・じん}行人{こん}魂を{た}断たんと{ほっ}欲す
{しゃ・もん}借問す{しゅ・か}酒家は{いず}何れの{ところ}処にか{あ}有る
{ぼく・どう}牧童{はる}遥かに{さ}指す{きょう・か}杏花の{むら}村