『中国新聞週刊』数学オリンピックの難題

2019-05-08 18:51:27

 

 国際数学オリンピック(IMO)大会で、中国チームはかつて常勝軍団だったが、この4年間連続でチャンピオンの座を奪われている。中国チームが2月に行われた第11回ルーマニア数学マスター大会でやっと6位を獲得したニュースが国内で報道されると、議論が巻き起こった。中国不振の原因を探ってみると、近年熱心に変革に取り組んでいる米国チームと比べ、中国の数学オリンピック選手の選抜訓練システムが時代遅れなのは明らかである。また、近年実施された教育改革の目的の一つは、数学成績の進学における影響力を薄めようとすることであるが、これにより中国の数学オリンピックの人材基盤はよりいっそう弱体化した。数学オリンピックはもともと、数学に強い興味を持ち、学校の授業以外でさらに学習する余裕のある学生たちに、より高いレベルで切磋琢磨する機会を与えるものだった。しかし2005年から、次第に名門校に入る手段の一つとなっていった。これにより、数学オリンピックの低年齢化、過重な学習負担などといった問題が深刻化し、かえって子どもたちの数学への興味は薄れていった。そのため中国教育部は、数学オリンピックの成績が進学へ影響するのを制限する政策を複数回にわたり打ち出した。しかし、良質な基礎教育資源の不足と不均衡の状況が変わらなければ、この異常な勉強ブームは終わらないだろう。

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