『VISTA看天下』 50万の「事実上の孤児」

2019-10-14 16:53:47

 

 「事実上の孤児」とは、事実上、誰にも扶養されていない子どものことである。両親共に重度の障害や病気があったり、罪を犯して刑務所に収容されていたり、家族を置き去りにして連絡が途絶えていたりする場合がある。また、両親のうち一人が死亡または失踪し、もう一人が上記のような状況の場合もある。中国の民政部(日本の省に相当)の調査によると、現在、中国には「事実上の孤児」が50万人いる。彼らの両親は生存しているが、扶養と保護の責任を果たせない、もしくは十分に果たしていない。長年、このような子どものうち、多くの子どもが児童福祉の救済システムから取り残され、困難な境遇に身を置かれてきた。こうした実態を改善するため、民政部や公安部などの12機関はこのほど、『事実上養育者のいない子どもへの支援を一層強化する取り組みに関する意見』を公表。この『意見』は、特に受刑者の子どもへの保護を強化し、生活保障だけでなく、心理面のケアとサポートを提供し、彼らの健全な成長を後押しすることを強調している。また、故意に子どもを遺棄し、長期的に家族や子どもと連絡を取らず、児童保障金を不正受給した保護者に対する処罰についても言及している。

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