『南風窓』 「大廠」で残業する若者たち

2021-04-28 14:26:51


「大廠」(大工場)という言葉は近年、中国のサラリーマンが考え出した流行語で、バイドゥ、アリババ、テンセントなどの大手インターネット企業を指す。一般人から見ると、この言葉は、かなりの時給、充実した福利厚生、ますます高くなる持ち株などを代表するが、流れ作業のような大変な仕事と終わらない残業も意味している。インターネット企業従業員の残業の背後には、確かに、急速な技術変革や業界内の競争激化などの原因があるが、「中国インターネット業界の特色」がある原因も無視できない。米国のインターネット大手と比べると、中国のインターネット大手の事業分野は重なりやすいため、企業間の競争が激化している。例えば、「字節跳動(バイトダンス)」社は、ショートムービーアプリ「TikTok(ティックトック)」とモバイルニュースプラットフォーム「今日頭条」を頼みにして大成功を収めた後、次第に金融、電子商取引、モバイルゲームなど、アリババやテンセントの得意分野に新規参入し、今や従来の大手も無視できない存在になっている。このほか、各インターネット大手の「陣営化」によって、従業員が大手企業間で転職することが難しくなり、労働者の交渉力も弱くなっている。深刻な残業問題があるが、今の中国で、高給取りのインターネット業界は依然として多くの若者にとって最も魅力がある仕事だ。

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