『長生』

2017-11-14 14:22:19

呉楚 著

 

著名なSF小説家・呉楚の「時間三部曲」の第1作。2029年、遺伝学者の古徳は人類の寿命を200歳まで延ばせる奇跡の物質「神の分子」を偶然発見する。世界が熱狂する中で少数の冷静な人々は人類の長生き、ひいては不老不死の背後に資源の枯渇、階級の固定化、人権侵害などの問題があると考えるに至る。文明を衰退させるあらゆる事象をろ過して除去することを目的とした科学的な組織でもある秘密結社「フィルター」は、計算によって「神の分子」の背後に隠された恐るべき危機を導き出す。彼らは自身が考える正しい目的を達成するために、巨大な陰謀を企てる。そして各国の権力者たちはあの手この手を使って上層部だけで「長生」の特権を独占しようとする。「神の分子」によって指導者同士に疑心が芽生え、大国同士で争いが起き、世界全体に不穏な空気が流れて戦争まで一触即発の状態になっていく。 (花山文芸出版社 2017年9月 39.8元)

関連文章