『崇禎的王朝』

2021-11-30 10:21:55


夏維中 著

中国の歴史上、明の崇禎帝(在位1627~44年)ほど後世の人々から深い同情を寄せられた亡国の皇帝はいないだろう。崇禎帝は本来、決して暗君ではなく、明代の歴代皇帝よりも勤勉で賢明だとさえいえる。同書は、明の時代に皇帝と文官たちの間で繰り広げられた残酷なシーソーゲームに焦点を当て、皇帝と文官たちの関係がどのように行き詰まり、その悪循環が意思疎通の欠如という制度上の問題なのか、それとも利害関係の争いなのか、という問題を検討している。明王朝の体制を深く研究した著者は、30年間朝政の場に姿を現さなかった万暦帝(在位1572~1620年)が明王朝を維持できたのに、改革に励んだ崇禎帝の代に王朝が崩壊した謎を解き明かしている。(江蘇人民出版社2021年6月 68元)

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