絶望と希望

2018-09-21 15:23:31

 三輪俊樹

その日は突然訪れた・・・。

 僕の父は会社を経営しており、出張に行くこともあり中国にも多々行っていた。その影響かは知らないが家で父の手伝いをしたときにはたまに「謝謝」と言われた。そのほかにも1~10など簡単な中国語を教えてもらった。父は中国をいたく気に入っており、幼いころに家族旅行でも行ったことがあるほどだ。父には中国人の友達がいると言っていた。お互い話している言葉はわからないが、意気投合したらしくプライベートでも会うほどだ。

当時4歳の僕はその中国人の友達が開催したパーティーに参加するために中国に訪れた。その旅行期間ずっと泣きわめくくらいの腹痛に襲われた。幼かったこともあり、中国での思い出はその腹痛に襲われたことだけである。そんなこともあり、中国に対する思いというのはいいものではなかった。

 そんな父が2年前にくも膜下出血で死んだ。その日の朝、僕は高校の部活があったので父に送ってもらった。その部活の帰りに姉から電話があり「すぐに帰ってきてほしい。」と間髪なく言われました。急いで帰ると、病院に連れて行かれ、ベッドで横たわる父の姿があった。そばにいる母から「もう助からないんだって・・・。」と言われた。突然すぎて、その場では理解することができなった。お通夜や、お葬式に人がたくさん来てようやくそこで「死んだんだなぁ。」と実感を持てた。

 数日後、その中国人の友達が訪れた。正直僕自身はその人のことについて何も覚えていなかったので母に詳しく聞いた。その話を聞くと父の中国での思い出についても話してくれた。そんなに父が気に入っているのなら自分も中国というものを知りたいなと思った。この瞬間から僕の中の中国に対する思いが興味に変わった。

大学を決める際は、大学に入ったら中国語を学びたいと思い言語の学習に力を入れているという大学を志願した。もちろん受験勉強も頑張った。その結果、今ではその大学で中国語を勉強している。ゆくゆくは学んだことを生かして、中国へ行き現地の空気に触れてみたいと思っている。

人民中国インターネット版

 

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