私の夢

2019-07-01 09:43:01

矢花 萌


これを映画のエンドロールに流すことが私の夢です。私は、中学一年生の時に見た、ある中国映画がきっかけで、中国に興味を持ち、中国が好きになりました。私の生活の三分の一を中国が占めていると言っても過言ではないほどです。

 しかし、この想いを私の同級生に話しても、なかなか理解され、共感を得ることができません。例えば、私が日本と中国のお隣の国である韓国の話を友達にするとします。

「私、韓国のこの歌が好きなんだ。」

「その歌、私も知っている。確かあの人が歌っている歌だよね。」

と、このように、会話が広がりを見せ、話に花が咲きます。ところがいつもの私の場合。

「私、中国のこの歌が好きなんだ。」

「え、本当に。どうして好きなの。」

と、聞かれ、何か物珍しいものを見たかのように、相手は驚き、不思議そうな顔を私に向けます。

 しかしながら、文化の代表例である歌というものに、どうして私の同級生は、このような受け取り方の差を生んだのでしょうか。

 私はその理由を、文化としての中国を若い世代の日本人は身近に感じていないからだと思います。

 さて、現在の若い世代の日本人は何を求め、何をしているかご存知でしょうか。それは、フォトジェニックで自分を含めた多くの友人に、いいなと思ってもらえるような、食、風景を、充実した日常の写真として、それをSNSにアップすることです。ですが、中国料理は世界三大料理と言われるほどの伝統と格式のある料理で、このような若者風に影響を受けません。したがって、中国料理は好きだけどSNSではあまり流行らない、触れられていないのです。

 また、中国人の歌手や俳優は、ほかの国の歌手や俳優と比べて、日本のテレビに出演しないのも一つの理由かもしれません。実際、日本の音楽番組では、英語の歌、韓国語の歌は聴いたことがあるのに、中国語の歌を聴いたことがありません。

 ですが一方で、一部の中国人観光客のマナーの悪さから、中国そのもののイメージが私の同級生の間で悪いのではないか、という意見もあります。しかし、私はそれを絶対にありえないと断言できます。なぜなら、私たち学生は、日々勉学に追われ、休みの日などは部活に汗を流していて、多くの中国人観光客がいるような場所に行く機会が少ないからです。その上、実際に私の周りにいる同級生は、中国に対して、好きではない、嫌いだ、とはっきり主張してくる人が一人もいません。ただ、彼らは「你好」「谢谢」は言えても「再「好吃」などを言えない、中国についてほとんど知らないだけです。

 そして、中国の食、音楽や文化、映像作品といったカルチャーとサブカルチャーが日本の若い世代に広まっていない、触れられて、興味を持ってもらう機会が少ないことを知った今。私は一つの夢を持ったのです。それは、中国が大好きな私を通して、私の言葉、表現、想いを載せて、多くの日本人にこの素晴らしい中国の文化を届けることです。そしていつの日か、私の同級生とこの想いを共有したいです。

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