日本のネットユーザーが中国に「いいね!」
先日、日本のヤフー・ニュースに次のような記事が掲載された。
「中国の電子商取引最大手・アリババグループの創始者、ジャック・マー(馬雲)氏は3月2日、自身の基金などを通じて日本に向けて100万枚のマスクを送ると発表した。……マー氏はこれまでに日本から多くの支援物資が送られたことに触れ、『私たちが最も物資を欠いていた時、日本の二階俊博(自民党幹事長)さんと多くの友人が一緒になって防護服を送ってくれた。感動、感謝、感恩』とつづった。その上で『かつて全力で助けてくれた友が、われわれと同じ困難に直面している。日本は大変な状況だ。これらはわれわれが全て経験したばかりで、何をすべきかを知っている』と理由を明かした。メッセージの後半には、困難を共に背負うという意味の『青山一道、同担風雨』という漢詩も添えられた」
馬雲が寄贈した100万枚のマスクが3月3日、成田空港に到着
このニュースのコメント欄には、互いへの気遣いや助け合いという中日の温かな友情への称賛が次々と書き込まれた。「こういった行為はさすが大国、大人の考えと言わざるを得ない。お互い問題の方が多いかもしれないけど、器の大きさを垣間見た」というコメントもあった。
これを読んで、私はちょうど「中日両国にはどうして友好が必要か」という、最近の両国における好感度アンケート調査の中で、長い間私を悩ませてきた問題の答えを見つけたように感じた。
友好は助け合う前提
2年前、私は中日友好協会によって東京に派遣され、日中友好会館の駐在員となった。私が仕事をするこの二つの「企業」の共通の特徴は、生産するものが一般企業とは異なり、肉眼では見ることのできない「中日友好」であるということだ。両国関係がいかに厳しい状態であっても、われわれの「生産」を停止したことはない。それならば、われわれを支える原動力とは何なのか。
歴史を振り返ると、先輩たちはいつも、「中日両国には2000年の友好の歴史と50年の不幸な歴史がある」と言っていた。歴史は「和すれば互いに利があり、戦えば共に傷つく」という道理を十分に証明してくれている。しかし今日の若者たちはこの「2050年」の歴史を経験したこともなく、その意味をうまく理解できないとも言いがち。
感染症が発生し、それが国境を超えてやってくるこの時、両国が行った行為がこの問題の格好の答えになっているといえる。感染症発生後、日本はわれわれに大量の物資を送ってくれ、また細やかな気配りで、救援物資にさまざまな漢詩の詩句を貼って、中国の人々を励ました。今回、日本はわれわれに、合計638万枚のマスク、107万組の医療用手袋、17万9000着の防護服、7万8000個のゴーグル、1000個の防護帽、そして300万の価値のある大型CTスキャン設備を贈ってくれた。寄贈物資の総価格は3000万元を超える。
島根県が2月19日、友好提携を結んでいる寧夏回族自治区と吉林省へ救援物資を贈った(写真・劉莉莎)
そして感染症が日本でも広がりを見せると、中国の各界は今度は日本に向け物資を贈り返し始めた。中国は公式に日本に5000着の防護服と10万枚のマスクを寄贈した。多くの中国企業もまた、日本に数千セットの検査キットを寄贈している。同時に馬雲氏が中心となり、さらに日本に100万枚のマスクを寄贈している。「青山一道、同担風雨」――青い山と雲を共に眺める友よ、一緒に困難を乗り越えよう。中日間の友好なくして、日本の中国に対する無私の寄贈はあり得ない。中日間の友好なくして、中国の日本に対する心からのお返しもあり得ないのだ。
2月初め、東京都の北区日中友好協会の春節ギョーザパーティーで「後楽寮」(中国人留学生寮)の留学生たちとギョーザをつくった(写真・田辺奈津子)
小異を残して大同を求めよう
中日は隣国であり、時々摩擦もあったりする。中国人と日本人が近い距離にいれば、お互い気に食わないこともある。このような両者同士でなぜ友好を語るかといえば、両者には小異以上に大同があるからだろう。中国には「小異を残して大同につく」という諺がある。常に小異と大同を見極めつつ、初心を変えることなく中日友好作りに頑張りたいし、頑張って頂きたいのだ。(郭寧=文)
1967年9月、吉林省生まれ。吉林大学外国語学院日本言語学・日本文学専攻。89年に中日友好協会に入社後、政治交流部職員、友好交流部職員、副部長、都市経済交流部副部長を歴任し、2003年より都市経済交流部部長に就任。03年5月~05年9月、駐日中国大使館友好交流部二等書記官となり、17年5月より日中友好会館に出向し、総合交流部部長。
郭寧(かくねい)
人民中国インターネット版 2020年4月1日
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