「この5年間の中国」を見た日本の大学生が語る中国

2021-03-24 10:19:02

于文=文

第十三次五カ年計画(十三五)が終わり、中国は貧困脱却という目標と課題を予定通り全面的に達成した。そして第十四次五カ年計画 (十四五)が始まる年として、中国は「2つの百年」という目標達成に向け奮闘を続けている。北九州市立大学中国語専攻過程4年の選択科目「中国語表現と中国人の社会」のゼミに参加する学生が、葉言材教授の指導のもとでドキュメンタリー「近平治国方略:中国五年」(習近平の国家統治戦略:この5年間の中国)を視聴してディスカッションを行った。学生からは現代中国に対する新たな認識や中国の発展への称賛が聞かれたほか、中日両国間の情報格差などの問題提起も見られた。

 

ドキュメンタリー「習近平の国家統治戦略:この5年間の中国」

教材に使われたドキュメンタリーシリーズの「習近平の国家統治戦略:この5年間の中国」は2017年に制作され、米国のテレビ司会者のダニーフォスター、オーストラリアの生物医学エンジニアのジョーダングエン、英国の人類学者のマリアンオクタが司会をつとめ、世界の発展にとって大切な時期や、中国の各分野における成果と未来の展望を各人の専門分野で探る内容となっている。

学生の卒業研修にこのドキュメンタリーを選んだ理由を、「偶然このドキュメンタリーを見て感動したのがきっかけ。中国が目標とする脱貧困、医療改革、教育、高速鉄道建設などの生活に関わる内容で、かつ中国の新たな発展へのコンセプトと成功事例が説明されており、さらに『人類運命共同体』の理念をひも解き、中国の平和的発展が世界にとってもチャンスとなることが紹介されている」と葉教授は語り、「中国の一般市民でも知らないような感動的なストーリーが多いので、海外ではもっと知られていないと思う。日本の若者は中国に対する知識に乏しく、日本の中国に対する消極的な世論の影響を受けているので、このドキュメンタリーを学生に見せて話ができればと思った」と意図を語った。

 

インターネットと電子技術で脱貧困を実現、豊かになりつつある中国の農村部

 

 印象とは違う中国に驚きの声

ドキュメンタリーを見ることで、中国への新たな認識を得た学生も少なくない。田中あみさんは「中国はテクノロジーの発展でGDPが増大していることは知っていたが、農村地域でもネットワークや電子機器を利用して貧困差が縮まっていることは知らなかった。しかも地方の人々がそれらを使いこなしていることにも驚いた」と語る。石川葵さんは中国の医療問題について、「国民の95%が保険に入り、農村部でも1年たった100元で医療を受けられるとは」と驚く。中国人は「爆買い」をすると思っていたと語る北野芹奈さんは、「中国人は貯金を好む国民性で、決して派手な買い物をする人々ではないとわかった」と認識を新たにした。

湖南省の脱貧困に関するパートを採り上げた学生が数人いたのが印象的だった。湖南省十八洞村に住む石爬専さんは夫を亡くし、子供たちも町に出てしまったため、道路も満足に整備されていない山村でひとり田畑を耕す日々。村人はみな、非常に貧しく辛い生活を送っている。2013年、十八洞村が貧困脱却の新たな施策の試験村に選ばれたため、石さんは近所の人々と共に、貧困対策助成金と貯金を合わせて1000ムー(1ムー=6.667アール)の広大なキウイ園をつくった。2013年、習近平総書記が十八洞村を訪れ、石さんの家を訪ねた。「玄関先にお客さんが立っていたので中に招き入れたら、村の生活について色々聞かれた」と語る石さん。「お客さん」の正体を知ったのはそれからしばらく後のこと―という内容だ。

 

2013年、十八洞村を訪問した習近平総書記と親しく語る石爬専さん

 

末井明莉さんは「人々から忘れ去られた場所にまで脱貧困の政策が及んでいることに驚いた。貧困脱却計画は各家庭に適した計画で、村の道路整備をしたりするだけでなく、各家庭の条件や境遇を考慮したサービスを提供している」と語る。さらに「習近平主席が石さんと心のこもった会話をするシーンから、本気で国民の貧困に真摯に向き合う姿勢が感じられた」と感動を語った。

牛田みゆさんは習近平主席の「以人民中心(人民を中心に)」「同步前,一个也不能少(共に前進し、一人も欠けてはならぬ)」という言葉が最も印象的だったと言う。「貧困扶助に大金を注いだことから、貧困問題解決をいかに重視しているかわかった。人口14億人の大国を統治するのは容易ではない。『以人民中心』という言葉のもと、人々の生活を中心に考えて行動している姿が心に残った」と言う。

 

中国は基礎的な医療保険の普及を進めている

 

日本の偏向報道を問題視

日本のメディアの偏向報道にも学生の意見が相次いだ。中原怜那さんは「日本のメディアは中国を悪く言う傾向がある。この動画を見なかったら、中国の功績を知ることができなかった」と語り、牛田みゆさんは「中国の悪い面だけを切り取った偏向報道は問題。多くの日本人はこのような偏向報道で、中国に対して良いイメージをもっていないと思う」と問題点を指摘した。阿部あやかさんは「中国の政治体制は恐ろしいものだと日本のテレビニュースや新聞では報道している。このドキュメンタリーを見ていなければ、中国や中国の指導者の印象は変わらなかったと思う。中国が都市部と農村部の貧困格差を埋めるという政治指針を挙げ、それに応じた商業や交通などの方面での改革を成し遂げていることを全く知らなかった」と新たな認識を語った。

こうした問題意識を持つことで、学生たちは中国を理解するという新たな意欲と、いかに中国を知り、いかに中国と共に学び合うかという点において、新たな理解を得ることができたようだ。

北野芹奈さんは「中国がどのように経済大国に発展したのかという過程やどのような政策が取られたのかが興味深かった」、田中あみさんは「特にハイテク分野における中国の成長は日本も見習うべきだ」、石川葵さんは「習近平主席の『不要以GDP英雄,要以民生英雄』(高いGDPをよしとするのではなく、民生の質の高さをよしとすべき)という言葉通り、国民を真摯に考えた政治を世界は見習うべき」とそれぞれ語った。阿部あやかさんは「日本のメディアは視聴者や読者を意識しすぎる報道ではなく、今起こっていることを報道すべき。また、情報を受ける私たちも見えている情報を過信せず、興味をもって自分自身が調べるべきだ」と言及した。

 

北九州市立大学中国語専攻の4年生が参加するゼミ「中国語表現と中国人の社会」を受講する学生

末井明莉さん、伊藤優奈さん、吉村桃香さん、葉言材教授、中原玲奈さん、菊原響子さん、田中あみさん、堀田ひなこさん、堀江ゆきさん、安藤優衣さん、阿部あやかさん、石川葵さん、福留紅美さん、牛田みゆさん、五十嵐さらささん、北野芹奈さん、陳暁さん(写真なし)

 もっと中国紹介の日本語版を

学生たちが中国への理解と知識を得る喜びを感じとった葉教授は、「新型コロナの影響で、学生たちは訪中して実際の中国に触れる機会を奪われた。それどころか学校で授業を受けるのすらままならない状態で、今回もオンライン授業になった」と苦境を語る。さらに「このドキュメンタリーは中国語に英語の字幕がついたものなので、四年生は理解できるが、中国語を習い始めた低学年にとっては難しい内容だ」と、4年生の教材に採用した理由を明かす。さらに「日本の人々の対中好感度が下がる一方なのは、欧米の価値観に依るメディアの報道と切り離せない部分がある。中国にとって日本は永遠に引っ越せない隣人であり、最も大切な国際関係の一つでもある。だからこそ、日本の普通の人々に中国の真実の今をいかに知ってもらうかは、早急に検討して実現しなければいけない問題だ。より多くのメディアを動員し、日本の若者に中国を知ってもらうことから始め、中国を理解してもらい、さらには中国を好きになってもらうことは、非常に大切なことだ」と力説する。

外国人に中国語を教える教育者として、葉教授は「例えば『人民中国』は独自の創意工夫を70年近く行い、たった一つのことを成し遂げた。それは日本人に中国を理解してもらうということだ。近年は『Panda杯全日本青年作文コンクール』を主催し、受賞者を中国に招待して自らの目で中国の変化を見、中国の人々の熱意を感じてもらう試みも行っている。そして彼らの感想を雑誌に掲載することで、日本の人々に真の中国の印象を伝えている。しかしこれだけでは充分ではない。『人民中国』が他部門をけん引し、数々のメディアを駆使して、日本人、特に若い学生に日本語で中国を紹介する出版物などをもっと出してもらいたい」と希望した。 

最後に、学生が授業終了後に中国語で書いた感想から、特に授業の収穫と心情がわかりやすく書かれたものを抜粋して紹介する。

 

安藤衣:中国一直以独具特色的政策方略取得了展,实现经济。中国用特有的想法和政策世界来和平,提供帮助。而且其他国家也应该参考自己国家成

 

吉村桃香:我在留学生活中常常感到中国的展。尤其是外,共享单车,淘宝,支付宝,滴滴,磁浮列。我眼看到中国的技术发展,日本不去追赶中国就不行了。最近日本外也越来越流行了,但很而且店很少。中国的都是又便宜又方便!

 

菊原响子:中国国家主席近平的一句:“人民美好生活的向往就是我们奋斗的目。”近几年来,中国政府就把改善人民的生活在首位,同把教育医首要任实现这个目,中国生了翻天覆地的化。中国经济飞展,人民幸福指数不断提升,充分向世界表明了“中国力”,向世界展示了“中国速度”,向世界明了“中国力量”

 

人民中国インターネット版 2021324

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