繁栄によって平和と幸福を
松下幸之助の新書読書会が北京で開催

2021-05-11 12:17:09

 


 4月28日、『天心-松下幸之助の哲学』(『松下幸之助の哲学 いかに生き、いかに栄えるか』の中国語訳版)の新書読書会が、松下記念館の主催で北京で行われた。 

 『天心-松下幸之助の哲学』はPHP研究所によって編集・発行され、松下幸之助の経営理念や哲学思想を体系的に説き、自然・宇宙、人間、人生、社会、政治の全5章40のテーマから構成されている。松下幸之助は、「人間はいかにして生き、いかにして繁栄を実現すべきか」というテーマについて、人間を中心に、人間とは何か、人間と自然、人間同士の関係はどうかといった根本的な問題を論じ、万物の調和という考え方を提起し、社会的・経済的問題を解決するための実行可能な方策を提示した。 

 松下幸之助は、世界企業番付フォーチュン・グローバル500に入るパナソニックや、PHP(Peace and Happiness through Prosperity)研究所を設立し、日本では「経営の神様」と呼ばれている。同氏の後押しにより、パナソニックは中国の改革開放の初期に、いち早く中国に投資して工場を設立し、中国の経済建設を積極的に支援した。2018年には、中国の改革開放と社会建設への著しい貢献により、氏は「中国改革友誼勲章」を授与された。
 
 
 読書会では、パナソニック株式会社グループ代表取締役副社長兼パナソニック中国・北東アジア社総代表の本間哲郎氏、パナソニック中国・北東アジア社副総代表の趙炳弟氏、北京大学経済学院教授の汪婉氏、ベテラン出版関係者の許剣秋氏らが出席し、本書について見解を述べた。本間哲郎氏は、松下幸之助の経営理念や哲学的思考は単なる理論的なものではなく、彼の人生における経験や実践に対する認識であると語った。 

 現在、中国社会はスマート化が急速に進んでおり、産業面では強力なサプライチェーンも持っている。特にイノベーションに寛容的な社会と、積極的に新しい知識を受け入れる国民性がある。そのため、パナソニックは2年前に戦略を変更し、パナソニック中国・北東アジア社を設立した。パナソニックが日本国外に意思決定機関を設置するのは、創業100年余りで初のことであり、中国市場を重視していることがよくうかがえる。他のゲストも、松下幸之助の理念である「日に新たに」「繁栄によって平和と幸福を」「企業は社会の公器」について感想を述べた。
関連文章