大学生活と『中国』

2021-10-28 15:16:56

本田大貴

大学時代を言葉で表すと、『中国』である。

僕は現在大学4年生だ。この4年間、私は『中国』に夢中になった。『中国』と言っても、大学で知り合った中国人の先生・友人。日本青少年育成協会でのH S K運営のアルバイト。結果的に行くことが出来なかった中国長期留学、週一回は必ず行く大学付近の中華料理店。など、私の大学生活全てにおいて『中国』というものは必要不可欠であり、苦い思い出をくれた。

私と『中国』の出会いは、大学に進学する際に高校の教師に勧められた為、第二言語として中国語を選択したという、とても簡単なものであった。高校時代の私の『中国』のイメージは、人口が多い。爆買い。経済成長。街並みが汚れているなど、日本のメディアに作り上げられた『中国』のイメージであり、あまり良いイメージではなかった。

大学に入り、何の目標を持つこともなく、ただ過ごしていた1年生。もともと勉強嫌いであった私は、適当に授業を受け、単位を取得するというつまらない学生をしていた。ただ、中国語の授業だけが楽しかったという記憶が今でも鮮明に覚えている。

そのような中で、2年生に入り就活のネタになると考え、夏休みに行った3週間の北京留学が、僕の学生生活を一転させた。親切な中国人。近未来と文化が融合した北京の街並み。絶品な中国料理。など全てのイメージを覆した。このような過去のイメージを180度回転させるという体験は一生に一度の経験だったかも知れない。北京留学後、私は『中国』が大好きになった。積極的に『中国』に関する講義を受講したり、中国人学生との交流会に積極的に参加するようになった。そこで、1年間の北京師範大学への留学のチャンスを得た。しかし、世界中にコロナウイルスの蔓延という類も見ない出来事が襲った。留学延期や学校に行けないという不安や不満の中で、私を救ってくれたのもやはり、『中国』であった。オンラインで大学に来る中国人の学生やH S Kの試験会場で偶然出会った日本青少年育成協会事務局長本田恵三氏だ。このような状況になったのにも関わらず、積極的に日本のことを学ぼうとしてくれる中国人の留学生。コロナ下でも、さまざまな施策で日中交流を続ける本田氏の行動を見て、立ち止まっている暇はないと思い知らされた。

半年間の延期を得て、北京師範大学にオンライン留学をすることができた。現地には行けずとも、これまで以上に中国人の留学支援・交流に積極的に参加し意見交換を行い、互いの文化や考えを共有しながら語学力を学んだ。結果的に、オンライン留学終了時にH S K6級を取得することが出来た。

このようにあっという間に過ぎていった大学生活であったが、『中国』というものは私の生活に必要不可欠な存在であった。

イメージや先入観というものは、簡単に変えられるものではない。未だに、『中国』という言葉を聞いて、あまり良いイメージを持っていない日本人もいるだろう。これは中国でも同じであろう。しかし、イメージや先入観を覆すために、注力する日本人。『日本』の事が大好きで、中国で『日本』のイメージや先入観を覆そうと注力する中国人。このような心が国際関係には最も重要で、注目するべき姿であると思う。メディアのイメージというものはどうしても変えられない。しかし、実際に体験したり・体験者の経験を学ぶことで新たな観点を生み出すことが出来る。大学生活で学んだことだ。

現在私は、中国の大学院進学に進学するのか、日本で就職するのかという分岐点でとても悩んでいる。とても辛いがこのような選択肢があることは、大学4年間『中国』について学び、イメージを覆し『中国』が大好きになった証だと思う。これからも私は『中国』と生きるであろう。

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