「笹川杯日本研究論文コンクール2022」決勝戦、授賞式が成功裏に開催

2022-11-30 11:32:37

文・写真=日本科学協会


20221127日、中国日語教学研究会、吉林大学、日本科学協会が主催する「笹川杯日本研究論文コンクール2022」の決勝戦、授賞式がオンライン上で開催された。

5回目の開催となる本コンクールには、中国全土の47大学から147の論文が集まり、一次審査を経て、言語学、文学、文化の3分野各10論文、計30論文が決勝戦進出を果たした。30論文の執筆者計46名(グループ参加者込)は、決勝戦でプレゼンテーションのほか、日中両国から集まった審査員達との質疑応答を行った。

本コンクールでは、論文の独創性、論理性、研究価値等に加え、学生達のプレゼンテーションや質疑応答時の日本語を使った表現力や、思考力等、日本語の総合的な能力も重要な審査項目であり、中国国内のハイレベルな日本語人材が集う。

 

吉林大学外国語学院張玫玫院長


吉林大学外国語学院張玫玫院長は開会の挨拶で「今年は中日国交正常化50周年、来年は中日平和友好条約締結45周年であり、両国にとって重要な節目の年に、本コンクールが中日若者の友好交流を促すプラットホームとなり、相互理解や関係発展を後押しする重要な役割を発揮することを心から願う」と述べた。

中国教育部高等学校外国語言語文学類専業教学指導委員会日語分委員会の修剛主任委員


授賞式では、学生や指導教官らが成績発表に一喜一憂し、大いに盛り上がりを見せた。審査員を代表し、講評を行った中国教育部高等学校外国語言語文学類専業教学指導委員会日語分委員会の修剛主任委員は「本コンクール設立の意義をかみしめている。中国の日本語教育の方向を示し、未来志向の人材を育成する大事業」と評価し、参加者へ向けて「大学生らしい視野を持ち、発見した現象をもう一歩踏み込んで探究するする姿勢を大切に」とエールを贈った。

中国日語教学研究会の周異夫会長


中国日語教学研究会の周異夫会長は「本コンクールを通してイノベーション能力や研究能力等に磨きをかけた学生達は、今後10年、20年後、中日関係を支えるキーパーソンとなるはずだ」と述べ、「コンクール開催を続けていくことで、日本研究のエキスパートをより多く輩出することが可能だ」と強調した。

日本科学協会の髙橋正征会長


日本科学協会の髙橋正征会長は「論文の多様性や、日本人では考えないようなユニークな視点に感心した」と評価し、「審査員の先生方は、非常に的確な指摘をし、全体的にかなり厳しい指摘もあったが、教育者として、日本研究の人材を育てるという強い熱意を感じた」と審査員への敬意を述べた。

言語学部門で特等賞を受賞した吉林大学の李鋭さん


言語学部門で特等賞を受賞した吉林大学の李鋭さん「学術論文を完成させるという目標を立て今日まで努力してきた。コンクールを通してこの目標を達成できたことにとても感激している」と喜びを表した。

文学部門で特等賞を受賞した上海交通大学の胡凌鋒さん


文学部門で特等賞を受賞した上海交通大学の胡凌鋒さんは「元々古文に興味があり、先生方の指導の下、論文執筆を進めることができた。今後も古典文学に関する研究を進めて行きたい」と抱負を述べた。

文化部門で特等賞を受賞した北京外国語大学の白易之さん、覃詩斯さん、梁一雷さん(グループ発表)


文化部門で特等賞を受賞した北京外国語大学の白易之さん、覃詩斯さん、梁一雷さん3名は、決勝戦まで論文指導を受けた教員への感謝を述べ、今日まで努力してきたチームメイトに労いの言葉を掛け合った。

決勝戦進出が叶わなかった学生達や日本研究を始めたばかりの若者達の参考として、後日、優秀な学生のプレゼンテーションや質疑応答の動画を日本科学協会等のHPで掲載予定。

各分野の特等賞は下記の通り。


言語学部門   

吉林大学 李鋭さん

論文タイトル: 日源新詞の接辞「~控」と原語の意味比較とその変遷

文学部門   

上海交通大学 胡凌鋒さん

論文タイトル:『源氏物語』における「くれなゐふかき」考―和歌の視点からみる若菜下帖秋住吉参詣

文化部門   

北京外国語大学 白易之さん、覃詩斯さん、梁一雷さん(グループ参加)

論文タイトル:中日における「花火」についての文化イメージの一考察

 

「笹川杯日本研究論文コンクール2022

主催:

中国日語教学研究会 吉林大学 日本科学協会

後援:

教育部外国言語文学類専攻教学指導委員会日語専攻教学指導分科会

中国外文局アジア太平洋広報センター(人民中国雑誌社)

 

2020年、2021年の開催情報:https://www.jss.or.jp/kouryu/sakubun/ronbun/

 
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