私の宝物

2022-10-26 11:23:13
松浦 凛璃

昨日、四川から国際便EMSが自宅に届きました。開いて一番上にある可愛い包装の手紙を開けると一番上に書いてあって最初に目に入る「生日快」の文字。

この荷物の届いた2日後は私の誕生日です。そしてこの荷物は中国の友人から届いたものでした。

出会いは二年前。私はほぼ毎日欠かさずやっているオンラインゲームをその日もスマホでプレイしていました。世界中の人がプレイをしチャットで会話をしあう、そんなゲームです。ですが私は翻訳も遅くどちらかといえば一人で楽しむことが多かったです。いつも通りクエストを終らせゲームを終わりにしようとした際、初期装備のアバターからフレンド申請を受けました。気まぐれで了解をしフレンドになりました。これが私の人生を大きく変える最高の出会いでした。

当時の拙い英語で「where you from?」と聞くと「China!」と返ってきました。当時は特別良いイメージも思い浮かばず「nice」くらいしか返すことが出来ませんでした。

彼女は私がゲームをしていると必ず毎回私の所に「Hiiii!」と元気よく来てくれて一人でプレイする事の多かった私にはとても新鮮で毎日が楽しみでした。一緒に遊ぶうちに打ち解け「今日はこんなことをしたの!」「中国には美味しい~っていう料理があるんだよ!」と毎日毎日会話をするうちに少しずつ中国という国に魅力を感じてきました。テレビで見る中国とは離れた存在のように感じ、自分でもインターネットを使い調べるようになりました。

美味しい料理・伝統的な文化・素敵な衣装・多くの最新の技術があり、何よりも私が惹かれたのは言葉です。純日本人の私からしたらどう真似をしても出せないあの発音にとても魅力を感じ同時に話せるようになりたいとも思いました。 

そしてこの事をこの時にはWeChatで繋がりお互いの事を何でも話せるような関係になっていた中国の友達に話したら「加油!」そして「私はあなたの一番の味方」とも言ってくれました。もうこれはやるしかないと思い彼女にもたくさん聞き、時には音声のデータを送ってくれたり解いた問題やノートにぎっしり書いた中文を送ると間違いを指摘してくれました。普通の高校に通いながら中国語の勉強を始め半年経った頃、一度受けてみようと思い3時間かけて東京まで行きHSK1級・2級を受験しました。

どちらの級も100人近くの方が受けに来ていて周りにはこんなにも中国語を勉強してる人がいるんだ!と、とても驚くのと同時に勝手に嬉しくなっていました。そして一ヶ月後の結果はどちらも合格。この事を真っ先に彼女に伝えました。大量に送られてくるお祝いの言葉に心が温まりました。私の事を誇らしいと中国の友達に自慢してくれたり、「次は3級だ頑張ろう!」ともう次の級の事も考えてくれていました。私は嬉しくて仕方ありませんでした。

毎日「早上好」から始まり「晩安 做好梦!」で終わる日常の数えきれない会話の数々の会話が幸せでたまりません。

今までに4回の交換便を行いました。時には浴衣と漢服、2㎏の大量のお菓子、パンダの愛くるしいぬいぐるみ等々今までにたくさんの贈り物交換をしてきました。その中でも一番嬉しいのは彼女からの手紙です。「い」と「り」が違ったりするその手紙は彼女がとても頑張って日本語で書いてくれるのです。可愛いイラストや顔文字を使いお互いの言語で相手に向けて書く手紙、嬉しくてたまりません。

そして毎度のことのように手紙の最後には「我的宝贝」の文字。

私は現在高3年で来年の4月に高校を卒業します。そして第一の進路として中国に留学します。感染症の影響で学校が受け入れをしない可能性もありますが、そうなった場合就職をし、お金を貯め受け入れが再開されるのを待ちます。たくさんの魅力を目で実際に見て、そして私をここまで導いてくれた彼女にも会いたいです。

 

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